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接穂
「接穂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
接穂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
ときどき伺ってみましたのですが、ああいうお偉い方のことですから、すぐこっちに話の
接穂《つぎほ》が無くなってしまう場合も多く、それにああいうご勉強家のことですから....
「明暗」より 著者:夏目漱石
つけておくのが少し可哀相《かわいそう》になった。彼はお延に言葉をかけようとして、
接穂《つぎほ》のないのに困った。お延も欄干《らんかん》に身を倚《よ》せたまますぐ....
「道草」より 著者:夏目漱石
腹が言葉にも態度にもありありと現れた。 それでも島田は容易に立たなかった。話の
接穂《つぎほ》がなくなって、手持|無沙汰《ぶさた》で仕方なくなった時、始めて座蒲....
「私の父」より 著者:堺利彦
はまた、野菜作りばかりでなく、屋敷内に竹林を作り、果樹をふやし、花物を植えつけ、
接穂をするなど、いろいろ計画を立てて実行した。茶の木も少しあった。煙草の少し作ら....
「あめんちあ」より 著者:富ノ沢麟太郎
ら、ひらひらとファンタステックに明滅していた。それは最初こそ、彼には楽しい想像の
接穂《つぎほ》としても親まれたが間もなくするうちに、それは怕《おそ》ろしい恐怖の....
「豊島与志雄著『高尾ざんげ』解説」より 著者:太宰治
の写真だけを一時間も、眺めていた。なんという悲しい顔をしているひとだろう、切株、
接穂、淘汰、手入れ、その株を切って、また
接穂、淘汰、手入れ、しかも、それは、サロ....
「変な男」より 著者:豊島与志雄
せずに、黙りこくっていた。 「お国はどちらでいらっしゃいますか。」と、辰代は語の
接穂がないので尋ねてみた。 「鹿児島です。」と、彼は答えた。「鹿児島はいい処です....
「傷痕の背景」より 著者:豊島与志雄
て、奴隷根性を押付けるつもりではなかった筈だ……。 生活の距りが大きくて、話の
接穂がないだけに、杉本は、そんなことを考えるのである。田代さんに、自慢話をするだ....
「一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
えば間もなく忘れるような、乃至は長く忘れずにいるにしても、それを言い出すには余り
接穂がなくてとうとう一生言い出さずにしまうというような、内から外からの数限りなき....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
まして、お芳は、もともと不自然な、しかも、ゆさぶってみるにはまだあまりに早すぎる
接穂でしかなかったのである。次郎に、かつての里子の経験が、再び新しい形ではじまろ....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
晩嬉しそうにおすみがこういって晩酌のお銚子を取り上げたが、 「ウム……ウム……」
接穂《つぎほ》なく肯いているばかりの圓太郎だった。口へ運ぶ盃のお酒が苦そうだった....
「寄席行灯」より 著者:正岡容
色を見せて、「糸が絶れましたよってまた明晩お聴き直しを……」と、プイッとそのまま
接穂なく高座を下りていってしまった。「オイお前、肝腎のとこで糸絶らしたら仕様ない....
「誓之巻」より 著者:泉鏡花
急に、 「何ともありませんよ、何、もう、いまによくなります。」 いいなおしたる
接穂なさ。面を背けて、 「治らないことはありません。治るよ、高津さん。」 高津....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
。が、二葉亭は「イヤ、最う断念めた!」と黙り込んでしまったので、この上最早言葉の
接穂がなかった。 その当座は犬の事ばかりに屈托して、得意の人生論や下層研究も余....
「母の手毬歌」より 著者:柳田国男
花の木の新種というものは、実をもいで来て播いて生やすよりは、台木を見つけてそれに
接穂をするほうが早く成長する。そしてその台木には大ていは同種の木が用いられる。親....