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控室
「控室〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
控室の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「冬」より 著者:芥川竜之介
渡した。それから余り門と離れていない、庇《ひさし》に厚い苔《こけ》の乾いた面会人
控室へつれて行って貰った。そこにはもう僕のほかにも薄縁《うすべ》りを張った腰かけ....
「青木の出京」より 著者:菊池寛
川の佐々木という病院に通っていた頃のことであった。彼はある日、多くの患者と一緒に
控室に待ち合わしていると、四十ばかりのでっぷりと肥った男に連れられてやって来た十....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
。 僕はこの有様を見て、最早一刻も猶予すべき時ではないと思った。 僕は市委員
控室の方に廻った。丁度そこに給仕が一人、リーダーを勉強していたので、これに一つの....
「あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
らね……ところが、始めはそう思ってたんですが、どうしてなかなか、見ていりゃア証人
控室へはいって行くじゃアありませんか……さア、妙だな? と思いましてね、あとから....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
もうこんな学校に用はないというので、ガラス戸は滅茶苦茶にこわされた。そして生徒
控室にあった机や椅子は、ほとんど全部火鉢の中のたき木になってしまった。 ある先....
「食魔」より 著者:岡本かの子
を細めてでもいるような和み方の東山三十六峯。ここの椽に人影はない。しかし別書院の
控室の間から演奏場へ通ずる中廊下には人の足音が地車でも続いて通っているよう絶えず....
「火星兵団」より 著者:海野十三
ちがいない」
「そうですか。博士は、また、気がかわったのかしら」
「われわれを、
控室へひきとらせたのも、われわれが、操縦室にいては、都合がわるいからだ。もう、こ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
れを繰り返すようなこともなかった。階段を昇って一階へ出ると、そこには食堂と小さい
控室がある。またそのうしろには更に小さい部屋がある。この第三の部屋は下男の居間で....
「昨日・今日・明日」より 著者:織田作之助
た。 それから、二週間のちの夜、赤井の新作落語が放送された。 第五スタジオの
控室で、放送開始時間を待っていると、給仕が、 「赤団治さんに御面会です。お宅の奥....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
嫌疑の圏内から抜け出てしまった。残りは二人だ。 係長は、ひとまず岩太郎とお品を
控室にとどめて置いて、次に峯吉の父親を呼び込んだ。 「お前は、あの時、左片盤の小....
「母と娘」より 著者:岡本かの子
古い井戸の滑車を五分間も廻さなければ汲み出せないの然かも濁った水よ。駅や小学校の
控室には飲用水の代りに葡萄酒が備えてあるの。農夫は野良仕事に葡萄酒を壜に詰めてぶ....
「春」より 著者:岡本かの子
つ一つ黒い陰を潜めているような陰気な幾つもの扉を開け閉めして、二人は診察室の次の
控室へ連れて行かれた。 茲にも古い疲れた椅子、長椅子、そして五六人の患者や附添....
「城」より 著者:カフカフランツ
いですよ。その男がそんな仕事のことを全然知らないことは別としても、学校の建物には
控室なしの二つの大きな教室があるだけです。そこで、小使は家族の者とともにその一つ....
「審判」より 著者:カフカフランツ
なたがこのつぎ裁判所事務局に行ったときには、一度このことを見ておくために、弁護士
控室をごらんになるとよろしい。そこにとぐろを巻いている連中に、あなたはおそらく一....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ずはない。彼は厳重な監禁のもとにロンドンに送られた。係官に取り調べられるまえに、
控室にしばらく待たせられた間、彼は一人のスペイン語の話せる紳士を見かけた。そして....