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推す
「推す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
推すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
でうすにょらい》を捨てて仏門に帰依《きえ》する事になった。書中に云っている所から
推すと、彼は老儒の学にも造詣《ぞうけい》のある、一かどの才子だったらしい。
破....
「外科室」より 著者:泉鏡花
ありて人に聞かしむることを得ずと、断乎《だんこ》として謂い出だせる、夫人の胸中を
推すれば。 伯爵は温乎《おんこ》として、 「わしにも、聞かされぬことなんか。え....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
るほうと君のほうとを等分に見る。 君は長座をしたのがKの父の気にさわったのだと
推すると座を立とうとした。しかしKはそういう心持ちに君をしたのを非常に物足らなく....
「大使館の始末機関」より 著者:海野十三
如き人造人間であるということにすら、気がつかないかもしれん」 この独りごとから
推すと、裸の博士が本当の金博士で、服装正しき博士こそ、身代りの人造人間の金博士で....
「沈没男」より 著者:海野十三
書くと、余が、とうとう初一念を貫いて、ロンドン上陸後、このハリッチへ来たように邪
推するであろう。しかし、事実は、大ちがいだ。 前報を打電して、それから一時間た....
「転機」より 著者:伊藤野枝
低く小さく見えた木は、近づくままに高く、木の形もはっきりと見えてきた。木の形から
推すと、かつては大きく枝葉を茂らしていた杉の木らしい。それはこの何里四方という程....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
穢うございますが、」と極り悪げに四辺を※すのを、後の男に心を取られてするように悪
推する、島野はますます憤って、口も利かず。 (無言なり。) 「お晩うございました....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
手拭を手繰り出して、蝦蟇口の紐に搦むので、よじって俯むけに額を拭いた。 意味は
推するに難くない。 欣七郎は、金口を点けながら、 「構わない構わない、俺も素町....
「九龍虫」より 著者:上村松園
た。 べつだん効くようにも感じないが、用いていれば疲れがあまり出ないところから
推すと、やはり効いているものらしい。 九龍虫は呑めども呑めどもあとからあとから....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
でも文雅風流の嗜みがあるわけでもないただの俗人であったが、以て馬琴の当時の人気を
推すべきである。 このお庇に私は幼時から馬琴に親しんだ。六、七歳頃から『八犬伝....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
と屋根との中空へ来た、月の下にすっくとこそ。 土蔵の前に集った一団の人の驚きは
推するに余りある次第であろう。 渠等が額を集め、鼻を合せ、呼吸をはずませて、あ....
「妖怪学」より 著者:井上円了
。昔日の妖怪にして今日の妖怪ならざるもの、その例はなはだ多し。これによりて将来を
推すに、今日の妖怪のまた他日の妖怪にあらざるを知るべし。かつ、道理に必然と不必然....
「迷信解」より 著者:井上円了
見ゆ。もとより、正しき書物の中には見当たらざれども、雑書のうちに出ずるところより
推すに、源平時代より以前にありしに相違ない。その当時は高位貴顕のそばに婦女子の侍....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
るを見る。ひとり北陸地方に、いまだその流行するを聞かざるなり。これによりてこれを
推すに、このことは東海諸国に縁起せしを知るべし。しかるに、人の伝うるところによる....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
となったはどういう縁故であったか知らないが、伊藤の屋号をやはり伊勢屋といったので
推すと、あるいは主家の伊勢長の一族であって、主人の肝煎で養子に行ったのかも知れな....