推服[語句情報] » 推服

「推服〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

推服の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
《きんばん》をつとめていた小野寺十内の方へ向きを換えると、益《ますます》、熱心に推服の意を洩《もら》し始めた。その子供らしい熱心さが、一党の中でも通人の名の高い....
思い出す事など」より 著者:夏目漱石
通いもせぬ余の頭に取って、どのくらい嬉しかったか分らない。余が教授の文章にいたく推服したのはこの時である。 今でも覚えている。一間《ひとま》おいて隣にいる東君....
錯覚した小宇宙」より 著者:辻潤
畏友古谷栄一君はかつて「人間の自我は錯覚」という説を発表した。自分はその説に大に推服しているものである。簡単に結論だけをいうと――人間つまり一人の個人は形而上的....
新日本の進路」より 著者:石原莞爾
めてデモクラチツクであり、よくその統制主義の主張を生かした。組織を見ても、誰もが推服する指導者なき限り、多くの支部は指導者的支部長をおかず、すべて合議制であつた....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
だ一度しか逢わないのではあったが、それだけで彼には十分であった。 彼はすっかり推服した。 彼は一目惚れしたのであった。 涅槃の釈迦に一目会い、その全人格に....
弟子」より 著者:中島敦
無い率直さが荒っぽい土地の人気に投じたらしい。壮士連はことごとく子路の明快闊達に推服した。それにこの頃になると、既に子路の名は孔門|随一《ずいいち》の快男児とし....
光と風と夢」より 著者:中島敦
第に大きさを増して行く。(白人に立てられた傀儡《かいらい》ではない)彼等の心から推服する真の王者へと贈られた・大小酋長からの献上品だ。役人や人夫が列をなして歌を....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
り易《やす》からずと感じたのです。いかに不感性の神尾といえども、男谷の剣術だけは推服のほかなきことを観念しているところに、この男もまた、その道に相当の覚えがある....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
上山《おべやま》の隠ヶ岡で命を拾われて以来、少なくともこの人を大仁者の一人として推服しているのだから、いくら金持だといっても、国のためになる人だからといっても、....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ール・メールにとどまっているならば、自分の高い地位、自分の好評、自分の善業、人の推服、人の敬意、自分の慈善、自分の富、自分の高名、自分の徳、それらは皆罪悪に汚さ....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
来していた文壇の人はいくばくもなかった。紅葉美妙以下硯友社諸氏の文品才藻には深く推服していたが、元来私の志していたのは経済であって、文学の如きは閑余の遊戯としか....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
河竹にあんなことが書けるもんですか。」などと言っていた。団十郎は心から桜痴居士に推服しているらしかった。 歌舞伎座の建物は震災後その形を改めてしまったが、旧歌....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
、新たに入社するものはこの伝統の社風に同感するものでも、また必ずしも沼南の人物に推服するものばかりでもなかったから、暫らくすると沼南の節度に慊らないで社員は絶え....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
にもまた不満足であって、科学に偏するスペンサーの哲学の如きも或る程度以上は決して推服していなかった。かつ常に曰く、「科学となると全然無識だから、勢い兜を脱いで降....
奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
ものであった。『日本後紀』弘仁三年六月二日条に、その同類のうち心性事を了し、衆の推服するところのもの一人を択びてこれが長となすとある。この意味から陸奥の俘囚長た....