掴まえる[語句情報] » 掴まえる

「掴まえる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

掴まえるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
『幸福』にめぐり遇っても、掴《つか》まえない内にすれ違ってしまう。もし『幸福』を掴まえる気ならば、一思いに木馬を飛び下りるが好《よ》い。――」 「まさかほんとう....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
んだ。そして、あの陰険酷烈をきわめたクリヴォフの陳述の中から、とうとう犯人の姿を掴まえることが出来たのだよ」と法水の顔には、さも当時の昂奮を回想するような疲労の....
「殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
を下げたが、これ位でお別れしよう」 こういうと藤枝は、プイと流して来た円タクを掴まえるとその儘、 「じや失敬」 と中から声をかけるかと思うともうやみの中に消え....
「雨」より 著者:織田作之助
瞶め、豹一はいつまでも境内にいた。和尚は檀家へ出かけた。将棋は負けても、亀の子を掴まえるのは上手だと豹一は力んだが、空しくあたりはすっかり夜が落ち、木魚の音を悲....
「穴」より 著者:黒島伝治
ばならなかった。そこを逃げ出して行く。両側の扉から憲兵が、素早く手を突き出して、掴まえるだろう。彼は、外界から、確然と距てられたところへ連れこまれた。そこには、....
「教育映画について」より 著者:寺田寅彦
の嵐のように運転する中を案内されて説明を聞いても眼が戸まどいをして視るべき要点を掴まえることが困難であるが、適当に編輯された映画で見れば、例えば飛行機なら飛行機....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
したろう」 とおど／＼していると、雑木山から草を踏んで来る悪者が、物をも云わず掴まえるから、「アレー」という中に一人が足を縛え、一人が手を縛え、担いで行きます....
「笑について」より 著者:岸田国士
で、まずこう前置きをしております。「そも／＼笑いの正体というものは理窟では容易に掴まえることができない。掴まえたと思うとぬらりくらりと逃げてしまう。実に始末に負....
「魔都」より 著者:久生十蘭
逢う前に是非打合わして置かなければならぬ事がある。おい、伝次、儂はこれから課長を掴まえるから、お前はこれから走り廻って、鶴見組の奴等がなぜ幸田にそんな妙な喧嘩を....
「決闘場」より 著者:岡本かの子
するものが無かった。 「まだ私は相手が見付からない。私の思う人は何時、どうすれば掴まえることが出来るか。器量は、良ければ尚良いけれど、そんな常識的の美男子でなく....
「炎の人――ゴッホ小伝――」より 著者:三好十郎
ことじゃない。あれは表現上の方法のことだ。僕の言うのは物自体のことなんだ。これを掴まえることが画家の一番大事なことだと言うことに気がついたんだ。もちろん色彩は大....
「ゴッホについて」より 著者:三好十郎
深奥の血肉の世界や日常の空気の中にまでにじみこんでいるキリスト教的実体となると、掴まえることがほとんど不可能なくらいに困難である。私がゴッホをとらえるのに一番困....
「早耳三次捕物聞書」より 著者:林不忘
の女を待っていると、間もなく思いがけないところでこの子供づれの女ぺてん師の尻尾を掴まえることができた。 第二話 そのころ駒形に兼久《かねきゅう》とい....
「越年」より 著者:岡本かの子
始めて気づいて独りで苦笑した。今まで加奈江は明子と一緒に銀座の人ごみの中で堂島を掴まえるのには和服では足手まといだというので、いつも出勤時の灰色の洋服の上に紺の....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
それは駄目だ。てんでに学ばれる事しか学ばれない。 ところで、なんでも旨く機会を掴まえるのが、 それが本当の男と云うものだ。 見た所が、君は大ぶ体格が好い。 度....