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「掴まる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

掴まるの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
爬虫館事件」より 著者:海野十三
ろしい大ニシキヘビが七頭、死んだようになって勝手な場所を占領していた。帆村は檻に掴まると、端の蟒から一頭一頭、腹の大きさを見ていった。しかしどうやらどの蛇も思い....
継子」より 著者:夢野久作
玲子は、それを見るなりグッタリと力を失ってしまった。今にも気絶しそうに左手の柱に掴まると、右手で懐中から一通の封筒を取出してマダムの方向へ差出した。ガックリとう....
微笑」より 著者:横光利一
として追っかける度に、小鳥は身を翻して、いつまでも飛び廻った。 「おれのう、もう掴まるか、もう掴まるかと思って、両手で鳥を抑えると、ひょいひょいと、うまい具合に....
青年」より 著者:森鴎外
通りで乗り換えた。 こん度の本所から来た車は、少し透いていたので、純一は吊革に掴まることが出来た。人道を歩いている人の腰から下を見ている純一が頭の中には、おち....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
したが、庄吉は怖々縁の下へ段々這入りますと、先に誰か逃込んで居るから其の人の帯へ掴まると、捕物の上手な源藏と申す者が潜って入り、庄吉の帯を捕えて、 源「さア出ろ....
十姉妹」より 著者:山本勝治
黙っているので気抜けした様に声を落し「なんぼお前が嫌いかてこうなったら、藁にでも掴まるより仕様あらへん、さあ、直造、寝よ、寝よ……」と、危っかしいすり足で次の間....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
と、三四人立騒ぐ女の中から、すっと美しく姿を抜いて、格子を開けた門口で、しっかり掴まる。吹きつけて揉む風で、颯と紅い褄が搦むように、私に縋ったのが、結綿の、その....
南地心中」より 著者:泉鏡花
どこか、もの蔭から、はらはらと走って出たのはその娘で。 突然、爺様の背中へ掴まると、手水鉢の傍に、南天の実の撓々と、霜に伏さった冷い緋鹿子、真白な小腕で、....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
彼は、非常に口ぎたない呪いの言葉をがなり立てながら、砂地を這って行って、ポーチに掴まると、ようやく再び立ち上って※杖をあてた。それから泉の中へぺっと唾を吐いた。....
魔都」より 著者:久生十蘭
西側の門の方へ駆け出そうとするのを赭熊は引戻し、 「馬鹿々々、そっちへ行っちゃア掴まるじゃないか。さアこっちへおいで」 と花の手をとり、小径伝いに一散に花壇の....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
…小癪な真似をして、あとで臍《ほぞ》を噛むなよ。……放されたうえは、手前なんぞに掴まるものか」 顎十郎は、長大な顎のはしをつまみながら、 「いや、そうはいかん....
夜光虫」より 著者:織田作之助
事に追われたンかも判れへんぞ」 「へえ? ほな、掴まって、カンゴク行きやナ」 「掴まるかどないか、まだ判るけえ!」 「うまいこと逃げてくれたら、ええのになア」 ....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
声で、 「何か、用か。」と喚いた。 「失礼!」 と言う、頸首を、空から天狗に引掴まるる心地がして、 「通道ではなかったんですか、失礼しました、失礼でした。」 ....
鳩つかひ」より 著者:大倉燁子
るんだ。それから小父さん、今夜はひとつ夜中起きていてもらいたいんだがなア、犯人が掴まると直ぐ警察から呼出しが来ると思うから――」 「冗談じゃない、そんなに早く掴....