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掻き落し
「掻き落し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
掻き落しの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
ないまでに稀められていた。二人は舌打ちしながら力を合せて、鉄扉の隙の乾いた粘土を
掻き落しはじめた。 間もなく粘土がすっかり剥ぎ取られると、技師は閂を跳ね上げて....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
二尺、線路の両側に掻き上げた所では、八尺くらいの高さの所がある。民家の屋の棟から
掻き落した雪は家を取り囲んで堤防を作り、家の入口は低く穴室の中へ下りて行く形にな....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
ないような陽気な空気が戸外に棚引いていた。 と云うのは、屋根の上でどしどし雪を
掻き落していた人々が、屋根上の欄干から互いに呼び合ったり、時々は道化た雪玉――こ....
「平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
ほうへ寄って行き、檳榔子塗《びんろうぬり》の腰刀を抜いて無造作にガリガリと胡粉を
掻き落していたが、そのうちに手を休めて得意満面に伝兵衛のほうへ振りかえり、 「ど....
「貧しき人々の群」より 著者:宮本百合子
ながら馳けつけて来た男が、木の切れを横にして、茶椀の葛湯《くずゆ》をはがすように
掻き落してくれた。 「大丈夫でやす、お嬢様。命に関わるこたあありゃせん」 私の....
「雁」より 著者:森鴎外
ません」と云って手を衝いた。 箱火鉢の傍に据わって、火の上に被さった灰を火箸で
掻き落していたお玉は、「おや、何をあやまるのだい」と云って、にっこりした。 「で....
「三国志」より 著者:吉川英治
は、途中の河べりまで来ると、川を渉りかけた牛輔を、不意に後ろから斬って、その首を
掻き落してしまった。 そして、呂布の陣へ走り、 「牛輔の首を献じますから、私を....