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掻き落す
「掻き落す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
掻き落すの前後の文節・文章を表示しています。該当する4件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「行人」より 著者:夏目漱石
であった。胡麻塩頭《ごましおあたま》の中へ指を突っ込んで、むやみに頭垢《ふけ》を
掻き落す癖があるので、差《さ》し向《むかい》の間に火鉢《ひばち》でも置くと、時々....
「食魔」より 著者:岡本かの子
なって彼を焼くのであるが、その焦熱を感ずれば感ずるほど、彼はそれをまわりで擦って
掻き落すよう、いよいよ雑多と変化の世界へ紛れ込んで行くのであった。彼はこの間に持....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
つぶれた。 馬の糞だった。ばばは、ベッベッと唾をした。顔についているものを指で
掻き落すと、ぼろぼろと涙が共にながれて来た。かかる憂き目にあうというのも、旅の空....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
はしばしば屋根の雪を除かぬと、その重みで粗末な家は潰れる虞れがある。しかしそれを
掻き落すとそれが家の周囲に積み重なって、高さ軒を没するようにもなる。そうでなくて....