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掻き込む
「掻き込む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
掻き込むの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
うよ。今日のようにボロ会社を押っ立てて新聞へ大きな広告をして、ぬれ手で何十万円を
掻き込むなんていう、そんな器用な芸当をむかしの人間は知りませんからね。十万円の金....
「河明り」より 著者:岡本かの子
ようになりますから」 それから、女二人の旅券だの船だの信用状だのを、自分一人で
掻き込むようにして埒を開け、神戸まで見送って呉れた。 シンガポール邦字雑誌社の....
「骸骨の黒穂」より 著者:夢野久作
に飯櫃を抱え出して、残りの飯と、店に残った皿のもので、湯漬飯を腹一パイガツガツと
掻き込むと、仏が生前に帳場で使っていた木綿縞の古座布団を一つ入口の潜戸の前に投出....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
二階に上って、烏賊に大根おろしをかけたのを肴に、茶のいきおいで、ボソボソした飯を
掻き込む、大根の香物が、臭いのには少なからず閉口させられた、かみさんに云い付けて....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
》の眼前へ打ち覆《かえ》すと、無数の小銭が八方へ転がり走る。泥公一心これを手早く
掻き込むに取り忙ぎ、銭の多寡を論じたり、凶器を弄《もてあそ》ぶに暇なく、集めおわ....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
、尺などという寸法は熊手の曲った竹一本の長さできまる。いずれも竹の先を曲げて物を
掻き込む形となって縁起を取るのであるが、その曲げようにも、老人の語る処によると、....
「春」より 著者:岡本かの子
で、京子の肩を抱くようにして自分の隣に京子の椅子を押しつけ、京子の首を自分の懐に
掻き込むようにした。 ――疲れてるわね。あんた、斯うして、少しおねむり。 ――う....
「わが寄席青春録」より 著者:正岡容
出しているといって激賞されたという芸談や、「鰻の蒲焼で喰べる御飯も塩鮭のお茶漬を
掻き込むのも、美味いという感じに相違は無く、ただし、翌朝の糞に軽重は有之可と存候....
「鮪の茶漬け」より 著者:北大路魯山人
く静かに放置し、中に充分に味がこもるのを待って、濃淡好みの茶漬けとした上で、口に
掻き込む段取りとなるのである。 どちらかといえば、蓋をしない茶漬けの方が香気も....