掻っ[語句情報] »
掻っ
「掻っ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
掻っの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
つかまえて文句を云った女は、まるで知らない人間で、そんなことを云って一両の小判を
掻っさらって逃げたのだそうです。何か道楽息子を叱り付けるようなことを云って、そこ....
「街底の熔鉱炉」より 著者:佐左木俊郎
ら出て来てそこへ坐った。 「一体、何を掻《か》っ払《ぱら》ったんだね?」 「え?
掻っ払いじゃありませんよ。まさか、そんなことまではしませんよ。」 「泥棒したんじ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
して置いてもよくねえと思って、毎朝わしが綺麗に直して置くと、毎晩|根《こん》よく
掻っ散らして行く。こっちも根負けがしてしまって、きのうも佐兵衛どんの兄貴が来た時....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ると、かれの悪い癖はいよいよ増長して来た。お紺は方々の店先で手あたり次第に品物を
掻っさらった。しかも或るところでそれを見つけられて、店の者に袋叩きにして追い払わ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
屋へ此の夕立の最中に一人の真っ黒な小僧が飛び込んで来て、店先にかけてあった菅笠を
掻っさらって逃げたということが判った。その小僧は笠をかぶって小梅の方角へ行ったと....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
。猟はこういう時だと、夜更けに、のそのそと起きて、鉄砲しらべをして、炉端で茶漬を
掻っ食らって、手製の猿の皮の毛頭巾を被った。筵の戸口へ、白髪を振り乱して、蕎麦切....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
た途端、横合から飛びだして来た四、五人の壮漢……。呀ッという間もなく僕の向う脛を
掻っ払った。僕は俵のように※と地上に転倒した。 「……だから、お照さん。云わない....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
をうんともやして、一時間ほどそのまわりに転がって寝て、そしてあつい粥を七、八はい
掻っこんだあとでは、すっかりもとの気分になっていた。 そして夕方近い頃に、一番....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
和子という悪少年があって、その父を努眼といった。和子は残忍の性質で、常に狗や猫を
掻っさらって食い、市中の害をなす事が多かった。 彼が鷹を臂に据えて往来に立って....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
か見慣れると、やあまた攫われたなぞと面白がって眺めているようになった。往来で白昼
掻っ払いを働く奴を東京では「昼とんび」と云った。 小石川に富坂町というのがある....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
食べ物などを貰いに来て、こちらが油断していると、そこらにあるものを手あたり次第に
掻っ攫って行くそうです。 そんな話を聞かされて、わたくしは山川のふちできのう出....
「故郷」より 著者:井上紅梅
し、ぶつぶつ言いながら出て行ったが、なお、行きがけの駄賃に母の手袋を一双、素早く
掻っ払ってズボンの腰に捻じ込んで立去った。 そのあとで近処の本家や親戚の人達が....
「首頂戴」より 著者:国枝史郎
そうして夫れは事が破れて、江戸は品川八ツ山下の御殿で、多くの捕吏に囲繞まれ、腹を
掻っ切ったその時まで、彼の心を捉えたのである。 五 「オイ赤川、もう駄....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
ないから、対手の方でも別に悪い事は為ないらしい。時々に里へ出て来て鶏や野菜などを
掻っ攫って行くけれども、まあ其位のことは打捨って置くのさ。」 「警察でも構わない....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
霊を取られてしまった。
己の質に取って置いた、高尚な霊なのを、
それをすばしこく
掻っ撈って行きやがったな。
そこで誰に苦情を持ち込んだら好いだろう。
誰が己の....