揃いも揃って[語句情報] » 揃いも揃って

「揃いも揃って〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

揃いも揃っての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
酒でも御勝手に召食れ。」 と前の床几に並べたのを、さらりと撒くと、颯と音して、揃いも揃って雉子鳩が、神代に島の湧いたように、むらむらと寄せて来るので、また一盆....
ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
たもんだネ。そういえば近来、女ども、バットをてんでにケースに入れていてネ、それを揃いも揃ってパイプに挿んでプカプカふかすのだ。他にはちょっと見られない風景だネ」....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
業所の全部に火が廻って、到頭隣家の二三軒までも焼落ちて了った。此晩の丸善の宿直が揃いも揃って近視鏡を用ゆる三名、寄宿の小僮が十名。唯った之ぎりの人数だから、近所....
火星探険」より 著者:海野十三
デニー博士の前に四人の少年が並んだのを見た。どうしたわけだろうか。四人の少年は、揃いも揃って、お尻に大きな尻尾を垂らしていた。 四人の少年は、デニー博士にしき....
千早館の迷路」より 著者:海野十三
りの間に、田鶴子に対して情念を非常に燃やして接近していた若い男の中の五名ほどが、揃いも揃って予告なしに突然このキャバレから足を引いたことであり、しかも彼等は帝都....
戦時旅行鞄」より 著者:海野十三
ればこれも町であった。これは変だ。やーい、海はどこへいった。 船員たちは、一同揃いも揃ってダブルで気が変になりそうであったが、中に気の強い者もいて、本船の位置....
不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
し得ることを感受するの能力がなかったのだ。今にしてはっきり知る、自分たちの頭脳は揃いも揃って発育不全であったことを! ああ情けなや) と、彼らの多くは、それ以....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
て鉱山事務所へも伝わったのである。 「昨日白根村でなあ、まっ昼間、十二三人の衆が揃いも揃って狐に化かされてなあ、その中には海軍さんまでも居なすったそうじゃが、こ....
火薬船」より 著者:海野十三
頂の附近に二銭銅貨大の禿――禿ではない、毛が生えそろわなくてみじかいのだ、それが揃いも揃って目につく。第一貴公のあたまにも、妙なところに山火事のあとみたいなもの....
鐘ヶ淵」より 著者:岡本綺堂
あるので、組頭はいよいよその判断に迷った。ただ幾分の疑念は、年上の三上と大原とが揃いも揃って見なかったというものを、最も年のわかい福井ひとりが見届けたと主張する....
街の探偵」より 著者:海野十三
員に交って憲兵の姿も見える。 日本飛行科学研究所の第四研究室員七名が、研究中に揃いも揃って、冷たい屍体となり終ったのであった。この愕くべき悲報に、僕は帆村探偵....
怪獣」より 著者:岡本綺堂
……。親たちや兄さんはまったく気の毒ですよ。」 私もまったく気の毒だと思った。揃いも揃って娘二人があの体たらくでは、親や兄は定めて困っているに相違ない。普通の....
恨みの蠑螺」より 著者:岡本綺堂
。 主人が災難とあきらめているので、義助もよんどころなく我慢したが、主従三人が揃いも揃ってこんな目に逢うのは、あまりに忌々しいと思った。 店の女たちにきいて....
茶屋知らず物語」より 著者:岡本かの子
見入っていましたが遂々感嘆の声を立てました。 「いや驚くほど美しい娘さんたちだ。揃いも揃って斯ういう娘さんがたを持たれた御主人は親御としてさぞ嬉しいことであろう....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
行免状を二番目に請取って露国の脳脊髄系を縦断した大旅行家の嵯峨寿安が控えていた。揃いも揃って気骨稜々たる不遇の高材逸足の集合であって、大隈侯等の維新の当時の築地....