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揃う
「揃う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
揃うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
まいりますと挨拶して走って出た。 村のものらもかれこれいうと聞いてるので、二人
揃うてゆくも人前恥かしく、急いで村を通抜けようとの考えから、僕は一足先になって出....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
いうのが、福井県の参事官へ去年の秋縁着いてもう児が出来た。その一組が当河野家へ来
揃うと、この時だけは道子と共に、一族残らず、乳母小間使と子守を交ぜて、ざっと五十....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
の恋人ともあろうものが、無ければ可い。が、硝子とは何事ですか。金剛石、また真珠の
揃うたのが可い。……博士、贈ってしかるべき頸飾をお検べ下さい。 博士 畏りました....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
の手を待たないで、自分で調合をして持って帰りました。私のする方が、かえって目方が
揃うくらい、大病だって何だって、そんな覚束ない薬で快くなろうとは思えんじゃありま....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
出だし卓子の上に置く。後の烏等、青き酒、赤き酒の瓶、続いてコップを取出だして並べ
揃う。 やがて、初の烏、一|挺の蝋燭を取って、これに火を点ず。 舞台|明くなる。....
「古狢」より 著者:泉鏡花
思う、見事な蓮根が柵の内外、浄土の逆茂木。勿体ないが、五百羅漢の御腕を、組違えて
揃う中に、大笊に慈姑が二杯。泥のままのと、一笊は、藍浅く、颯と青に洗上げたのを、....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
の一筋がまた同じ女と生れる、生きかわるわいの。死にかわるわいの。 その誰もが皆
揃うて、親兄弟を恨む、家眷親属を恨む、人を恨む、世を恨む、人間五常の道乱れて、黒....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
が、また幕打った高い屋台に、これは男の稚児ばかり、すり鉦に太鼓を合わせて、同じく
揃う十二人と、多一は同じ装束である。 二人を前に、銚子を控えて、人交ぜもしなか....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
思うことあるその一方を見詰めつつ、衣を換うるも、帯を緊むるも、衣紋を直すも、褄を
揃うるも、皆|他の手に打任せつ。 尋常ならぬ新婦の気色を危みたる介添の、何かは....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
りません。 馬場へ懸ると、早や日脚が摺って、一面に蔭った上、草も手入らずに生え
揃うと、綺麗に敷くでござりましてな、成程、早咲の桔梗が、ちらほら。ははあ、そこら....
「トロッコ」より 著者:芥川竜之介
った。三人の子供は恐る恐る、一番|端にあるトロッコを押した。トロッコは三人の力が
揃うと、突然ごろりと車輪をまわした。良平はこの音にひやりとした。しかし二度目の車....
「京のその頃」より 著者:上村松園
ず「お莨盆」に結う。ちょっと鹿の子を掛けたりすると可愛いものだ。 少し髪が伸び
揃うと「鬘下地」か「福髷」かに結う。そうたっぷりと伸びていないので、鬢を小さく出....
「京の夏景色」より 著者:上村松園
あつまって、それぞれの提灯の絵を比べあったりいたします。何処の子もみな寄って来て
揃うと年|嵩な女の子が列をつくって、 ※さーのやのいとざくら ぼんにはどこにも....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
、灯が点れかけの暗さが来て、逢魔が時や思うたらな、路之助はんの幟が沢山、しんなり
揃う青い中から、大き大き顔が出てな。」 「相撲のだね。」 「違います、女子はんの....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
…華奢な女の掌にも入りそうな鶏が二羽、……その白い饅頭が、向い合いもせず、前向に
揃うともなしに、横に二個、ひったりと翼を並べたように置いてある。水晶に紅をさした....