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「揃える〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

揃えるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
、ちらと想い出した。亭主の所から逃げて来たのだ。 「女という奴は……」 パイを揃えると、銀ちゃんはまずパイパン(白板)を捨てて、 「――済ました顔で、新聞雑誌....
乱世」より 著者:菊池寛
のか、少しも見当がつかなかった。 そのうちに大工は、銘々一枚の板と二本の柱とを揃えると、板の両端へ一本ずつの柱を当てがった。 「おや!」と、思っているうちに、....
三十年後の東京」より 著者:海野十三
らなかったですからね。ちょうど布ぎれのないときでしたからぼくのお母さんは、それを揃えるのにずいぶん苦労しましたよ。――ああ、そういえば、ぼくのお母さんは……」 ....
柿色の紙風船」より 著者:海野十三
と黄との二色を、一つ置きに張った風船をつくるのであると、そのような二種の花びらを揃える。それから一枚一枚、すこしずつ外して並べ、ゴム糊を塗る。それが一役。 次....
工場細胞」より 著者:小林多喜二
本の「攻勢」にもグイと持ちこらえ得るためには、何より工場全部の労働者が「足並」を揃えることだった。職場、職場で態度がチグハグなために、滅茶々々にされることはめず....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
断片零紙も惜むべき此種の名著は、縦令若干の焼け損じがあっても、一部のフロラが略ぼ揃える事が出来たなら猶お大に貴重するに足る。之を尽く灰として了わなかったは有繋の....
三十年後の世界」より 著者:海野十三
らなかったですからね。ちょうど布ぎれのないときでしたからぼくのお母さんは、それを揃えるのにずいぶん苦労をしましたよ。――ああ、そういえば、ぼくのお母さんは……」....
火星探険」より 著者:海野十三
くようになった。発電機を動かす燃料も、十分にあり、新しい送受信機を組立てる部品を揃えることも出来た。 もう一つの仕事の、壊れた宇宙艇が修理できるかどうかは、一....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
はジッと彼女の方を見ていたので、彼女はあわてて、目を伏せた。そしてスリッパをぬぎ揃えると、白足袋をはいた片足をオズオズ棺のなかに入れた。 「どんな風にしますの。....
田村将軍」より 著者:楠山正雄
した。 天子さまの仰せ付けを受けますと、田村麻呂はかしこまって、さっそく兵隊を揃える手はずをしました。いよいよ出陣の支度ができ上がって、京都を立とうとする朝、....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
に、よく揃えたもんだなア。まアね。彼の逆上的な観察にも狂いはあるようだが、まア、揃えるという精神はあるだろう。ダンサーたることを第一に、美というものを念頭におい....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
両側の軒下に子供たちは分れて並ぶ。 「子売ろう子売ろう」 一方の子供たちが声を揃えると、 「子買おう子買おう」 と他の側の子供たちが応える。 「何という子買....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
ありましたら、息が籠って吹かれません」 いいいい鈴江は左の手の指で、針の穂先を揃えるようにした。その針が薄紅い掌の肉の、円い窪みに充たされていて、水銀が溜って....
帝展の美人画」より 著者:上村松園
は徳川期の娘が床几に掛けて萩を見ている図を片双に描いて先年描いた二人の娘の片双を揃えることにしています。十一月一杯はかからずに仕上がるでしょう。 伊太利展の方....
三枚続」より 著者:泉鏡花
の前に廻ったのは、先刻から控えていたかの円髷の婦人であった。 お夏は衽を取って揃えると、腰から乳の下に下〆を無造作にぐるぐる巻、あてがってくれる帯をして、袖を....