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揉み合い
「揉み合い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
揉み合いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三の字旅行会」より 著者:大阪圭吉
にして柵を飛び越そうとしたが、宇利氏に引きとめられて、しばらくゴテゴテと押し合い
揉み合い、やがて馳けつけたほかの駅員達に取押えられて、どうやら観念したらしく、事....
「わが町」より 著者:織田作之助
ごたした横町で、左手のマッサージと看板の掛った家の二階では、五六人の按摩がお互い
揉み合いしていた。その小屋根には朝顔の植木鉢がちょぼんと置かれていて、屋根続きに....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
うがない。わッと言う矢声もろ共、犇めきわめきながら殺到すると、押しのけはねのけ、
揉み合いへし合いながら、われ先にと小判の道へ雪崩れかかりました。 しかし、たっ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
争う両人《ふたり》は、ほとんど他目《よそめ》からは組打ちをしているほどの烈しさで
揉み合いました。 そうしてお君は、やっとお嬢様の手からその写真を取り上げて、太....
「地は饒なり」より 著者:宮本百合子
和、内から湧こうとする力と、外から箍《たが》をかけて置こうとする力との、恐ろしい
揉み合いの日が続いたのである。 個人的傾向と、一般的方則の衝突。誰でも感じなけ....
「ロンドン一九二九年」より 著者:宮本百合子
《ウエスト》へ寄せ返す人波と、二つの巨大な磁石巖――株式取引所と銀行とのまわりで
揉み合い塵を捲き上げつつ流れる人渦とを見るだけである。 ヨーロッパの買占人、紐....
「石油の都バクーへ」より 著者:宮本百合子
の町」を思い出し、この地方の住民が数世紀に亙って様々の形で行って来た支配権力との
揉み合いの歴史を、深く思いやった。帝政ロシアの権力は、石油とカスピ海を眼目にこの....
「ジイドとそのソヴェト旅行記」より 著者:宮本百合子
に対する戦いを表現しようとした。青年ジイドは自身の裡に目覚める野獣的な慾望の力と
揉み合いつつ、これまで自身が身につけていたと思う教育の威力や倫理や教義の無力を痛....
「二つの場合」より 著者:宮本百合子
じ足場にあるわけなのである。私は『牡丹のある家』の作者が、社会的重圧との積極的な
揉み合いのうちに、或る時は作品を切りこまざかれつつ、いつしかプロレタリア婦人作家....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
れからまだ自由になっていない限度や矛盾などが、互にからみあい複雑をきわめる現実の
揉み合いに対して、人間、女としての自分の善意に我からたのみすぎた思い上り、対手の....
「大阪発見」より 著者:織田作之助
って左隣りには「大天狗」という按摩屋で、天井の低い二階で五、六人の按摩がお互いに
揉み合いしていた。右隣は歯科医院であった。 その歯科医院は古びたしもた家で、二....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いる。
ダアサイナ
ダアサイナ
ドウロクジンヘ
ダアサイナ
そうして、今、
揉み合い、押し合いながら、この悪女塚の教場の方へと押し上って来る。
しかし、ま....
「石ころ路」より 著者:田畑修一郎
見た。昌さんは隙を見て脱けてかえろうとする、民さんはそうさせまいとする。あげくは
揉み合いになったが、民さんは小柄だが力があるのだろう、くるりと昌さんを足でからみ....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
は走って来ないうちに、またまた背後のほうへ引っ返した。つまり一所で寄せつ返しつ、
揉み合いひしめき合っているのである。
と、これはどうしたのであろう、二人ばかり....
「姫たちばな」より 著者:室生犀星
鳥のいどころを捜しに行ったのではないかと思わせるほど、何が何やら訳の分らぬ一刻の
揉み合いであった。だが、橘の顔はぞくぞくするほどの予感で、蒼ざめてその色を喪うて....