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揉み消し
「揉み消し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
揉み消しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
に逢わせると云ったのが此の事では有るまいか、何の様な手段かは知らぬがお浦の身体を
揉み消したではなかろうか、併し其の様な事をする暇もなかった。
第三十二回 専門....
「西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
長家から火事が出た、消せ/\」 と云って呶鳴りましたから、長家の者が出てまいり
揉み消しましたから、火事は漸々隣りの明家へ付いたばかりで消えましたが、又作は真黒....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
遮二無二揉み消そうという企てが、この挙国一致主義なのだ。無論この種の矛盾を本当に
揉み消してしまうことは出来ないから、勢いこの主義は掛声と合言葉に過ぎぬものとなら....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
から火の手があがって大騒ぎとなりましたが、それは発見されることが早くて、まもなく
揉み消したかと思うと、山下町あたりのある旗本屋敷が、またしても、それ火事よと騒ぎ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
がけずこの脇差一本で幾頭かの餓えたる犬を斬りました。畜生の血が残っている。それを
揉み消し拭き消さんがために、かくも必死に、しかも相当神経的に刀身を拭っていると見....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
たような出来事だった。私は、ルセアニア人へ話しかけようとしていた言葉を、唇の上で
揉み消したまま、この不可抗力による闖入者を観察した。 彼女は、アストラカンの長....
「白い壁」より 著者:本庄陸男
てそんな巡査みてえなことばかし聞くんだい?」杉本は蒼ざめて吸いかけているバットを
揉み消した。「あたいらは正直もんだよ」と川上はさらにつづけた。「うそなんてこれっ....
「化生のもの」より 著者:豊島与志雄
ことですよ。もし間違って、新聞にでも書かれたらどうします。万一のことがあったら、
揉み消してもらうように、手を廻しておいてもいいんですけれど……。」 「大丈夫です....
「接吻」より 著者:神西清
だ!……一瞬リャボーヴィチの胸に、ぱっと歓喜が燃えあがったが、彼はすぐさまそれを
揉み消して寝床へもぐり込み、わが身の運命に対する面当てに、まるでわざわざ運命を残....
「魔都」より 著者:久生十蘭
のである。踵の高い女の靴ではこんな芸当は出来ない。それで、煙草の吸殻はどうした。
揉み消してポケットへ入れたか。まさか。真名古は皿の上に堆高い生牡蠣の殻を一つずつ....
「土竜」より 著者:佐左木俊郎
そうと努めた。けれども爺は、その一本の半分とは燻らさないうちに唐鍬の柄でそうっと
揉み消した。そして、佩嚢から、なでしこの刻み煙草を取り出し、二三度吸った。 「ど....
「生きている戦死者」より 著者:牧逸馬
的最近の出来事であるが、その割りに知られていない。事件の当時、警察が全力を揮って
揉み消したからだ。 ノルマ・キス夫人は非常な美人である。そのせいだろうか、良人....
「勘平の死」より 著者:岡本綺堂
字清 それでもあのくらいの大きい家になると、内証で色々に手をまわして、いい加減に
揉み消してしまうというじゃあありませんか。 半七 (笑う。)それも事による。いく....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
ものは、これから益※起るおそれのある小作争議をば体よく抑えて、大きくしないうちに
揉み消しにして――結局地主ば安全にさせて置こうとするための法律だ。ところが、一寸....
「生不動」より 著者:橘外男
時には、もう廻りにいた人たちが、やっとのことで躍り蒐って蒲団蒸しにして三人の火を
揉み消したところと見えた。ジリジリと皮膚の焦げる何とも言えぬ異様な腥さがプウンと....