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揉烏帽子
「揉烏帽子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
揉烏帽子の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
朱雀綾小路《すざくあやのこうじ》の辻《つじ》で、じみな紺の水干《すいかん》に
揉烏帽子《もみえぼし》をかけた、二十《はたち》ばかりの、醜い、片目の侍が、平骨《....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
神泉苑《しんせんえん》の外を通りかかりますと、あすこの築土《ついじ》を前にして、
揉烏帽子《もみえぼし》やら、立烏帽子《たてえぼし》やら、あるいはまたもの見高い市....
「羅生門」より 著者:芥川竜之介
すざくおおじ》にある以上は、この男のほかにも、雨やみをする市女笠《いちめがさ》や
揉烏帽子《もみえぼし》が、もう二三人はありそうなものである。それが、この男のほか....
「竜」より 著者:芥川竜之介
根がたに坐ってばかりは居られませんので、嫌々腰を擡《もた》げて見ますと、ここにも
揉烏帽子《もみえぼし》や侍烏帽子《さむらいえぼし》が人山《ひとやま》を築いて居り....
「運」より 著者:芥川竜之介
》もない。着ているのは、麻《あさ》の帷子《かたびら》であろう。それに萎《な》えた
揉烏帽子《もみえぼし》をかけたのが、この頃評判の高い鳥羽僧正《とばそうじょう》の....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
脛を絞り、鹿革の古ぼけた大きな燧打袋を腰に提げ、燈心を一束、片手に油差を持添え、
揉烏帽子を頂いた、耳、ぼんの窪のはずれに、燈心はその十筋|七筋の抜毛かと思う白髪....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
です。冗談ですよ。…… 誰も気が付かぬ間に、左端にふと、石ノ上ノ文麻呂が現れた。
揉烏帽子を被り、いかにもみすぼらしい下人の装束で、立っている。 葵の物忌は、彼だ....