描く[語句情報] »
描く
「描く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
描くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「日光小品」より 著者:芥川竜之介
で態度をヒューマナイズして人生を見なければならぬ。それが私たちの努力である。真を
描くという、それもけっこうだ。しかし、「形ばかりの世界」を破ってその中の真を捕え....
「沼地」より 著者:芥川竜之介
の画を描いた時もですか。」
「勿論です。気違いででもなければ、誰がこんな色の画を
描くものですか。それをあなたは傑作だと云って感心してお出《い》でなさる。そこが大....
「路上」より 著者:芥川竜之介
「オルガンだけは忘れないと見えるね。」
「オルガンばかりじゃない。この患者は画も
描く。裁縫もする。字なんぞは殊に巧《たくみ》だ。」
新田《にった》は俊助にこう....
「或る女」より 著者:有島武郎
と残して行ったのだった。木村の面影はふと葉子の頭の中を抜けて通った。空想で木村を
描く事は、木村と顔を見合わす時ほどの厭《いと》わしい思いを葉子に起こさせなかった....
「或る女」より 著者:有島武郎
見なかったらしい古藤は、しばらくは何事も忘れたように恍惚《こうこつ》として二人の
描く曲線のさまざまに見とれていた。
と突然貞世が両|袖《そで》を顔にあてたと思....
「宣言一つ」より 著者:有島武郎
の階級者が発明した文字と、構想と、表現法とをもって、漫然と労働者の生活なるものを
描く。彼らは第四階級以外の階級者が発明した論理と、思想と、検察法とをもって、文芸....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
なったろう。このころ私はまた妙に君を思い出す。君の張り切った生活のありさまを頭に
描く。君はまざまざと私の想像の視野に現われ出て来て、見るように君の生活とその周囲....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
に南画を学んでいた。しかし僕のなりたかったのはナポレオンの肖像だのライオンだのを
描く洋画家だった。 僕が当時買い集めた西洋名画の写真版はいまだに何枚か残ってい....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
出たいと思わずにはいられないのだ。 何事にも例外はある。その例外を殊更に色濃く
描くのをひかえて見て貰ったら、偽善者というものが、強味を以て弱味を弥縫するところ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
るだけ均等に広がっていた。それが運動するためにいくつかの中心のまわりに環状軌道を
描くようになり、その中心には発光物質が集まり、そのまわりを上記の第二第三の物質が....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
もああ円くは出来ないから、不思議だ。」と、つまらない事を感心し出した。朱でまるを
描くくらいなら、己だって出来ると思ったが、うっかりそんな事を云うと、すぐ「じゃ、....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
で、それもみな塗りつぶされて、そのあとは温良な笑いと快活さとを巧妙な彩筆をもって
描くことにした。 ラザルスは例の無関心で、大勢のなすがままに任せていたので、た....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
、地上の何所にも見受けることはできませぬ。こればかりは実地に行って見るより外に、
描くべき筆も、語るべき言葉もあるまいと考えられます。 御門から御殿まではどの位....
「江口渙氏の事」より 著者:芥川竜之介
後に創作家としての江口は、大体として人間的興味を中心とした、心理よりも寧ろ事件を
描く傾向があるようだ。「馬丁」や「赤い矢帆」には、この傾向が最も著しく現れている....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
ないんでしょうねえ。 沢本 わかり切っているじゃないか。俺たちがりっぱなものを
描くからだ……世の中の奴には俺たちの仕事がわからないんだ……ああ俺はもうだめだ。....