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「描法〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

描法の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
闖入者」より 著者:大阪圭吉
らず惹きつけたのだ。 さて、その問題の絵と云うのは、六号の風景カンバスに、直接描法の荒いタッチで描かれた富士山の写生画であるが、カンバスの中央に大きく薄紫の富....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
なしていて――色彩の雑群を作っている所が、すなわちそれだったのです。ところで、点描法の理論を御存じでしょうか。色と色を混ぜる代りに、原色の細かい線や点を交互に列....
純粋小説論」より 著者:横光利一
遠ざかれば遠ざかるに従って、その意志とは反対に通俗になっているという逆説的な人間描法の魔術に落ち込んだ感傷家が、われわれ日本の純文学の作家であったのだ。この感傷....
今日の文学の展望」より 著者:宮本百合子
、社会と人間との現実を描くことを慫慂《しょうよう》した逍遙が、「当世書生気質」の描法にはおのずから自身が明治社会成生の過程に生きた青年時代の社会関係の角度を反映....
帝展を観ての感想」より 著者:宮本百合子
こういうのをも尚描くということが出来るのであろうか、塗上げ術の問題はあるとしても描法の問題はここには消散してしまっている、そのように感じたのであった。 日本画....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
のものはかなり珍らしいのであります、その他モティフは西洋の風俗風景であるが、その描法が純粋の支那らしい筆法で描かれてあるものもあります、私の持っているヴェニスの....
油絵新技法」より 著者:小出楢重
はいつの時代にあっても永久に変らない一事である。 自然を前にする処の印象派風の描法は、ありのままの自然の一部を切り取り、画面に構図を作り、見たままの色彩をその....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ますね、奥の深さ、そして前方の平らかなひろがりの調子。墨だけです。いつかの仙樵の描法を思いおこし龍子の才筆の或るくずれを感じます、御同感でしょう? 十二月九....
異質触媒作用」より 著者:寺田寅彦
い。 日本画と西洋画の区別が年と共にいよいよ分からなくなって来た。画の主題でも描法でも両方から互いに接近し模倣し入乱れて来ている。それだのにそうかと云って、洋....
津田青楓君の画と南画の芸術的価値」より 著者:寺田寅彦
が大人しい謹厳な描き方で一貫している、そして線描の落着いたしかも敏感な鋭さと没骨描法の豊潤な情熱的な温かみとが巧みに織り成されて、ここにも一種の美しい交響楽が出....
美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
、幅一丈にも余る大幅であるので、写真に縮小しては鮮明を欠くのでその一部分を掲げて描法の一端を示す事としたのである。幸い此の全画の写真はよく画集などに出ているので....
三人の師」より 著者:上村松園
松年先生は決してそのような器具は使われなかった。 「他人はひと、私は決してそんな描法を用いない」 先生は常にそう言って、画家はあくまで筆一|途にゆくべきである....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
しもの古来その例なし。北斎は初め勝川春章《かつかわしゅんしょう》につきて浮世絵の描法を修むるの傍《かたわら》堤等琳《つつみとうりん》の門に入りて狩野《かのう》の....