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描線
「描線〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
描線の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
みを大まかに包んで、八の字状に斉整した端線を投げ掛けたところは、正に、天下の三大
描線で、広々とした裾合谷の大合奏である。それらの山の裾へひろがるところの、違い棚....
「モスクワ印象記」より 著者:宮本百合子
ドストイェフスキーが非難されるとしたら、彼自身の病的さによって、あまり彼の人物の
描線に戦慄のあることだ。嘘を描いたことではない。 私は一人の外国人だ。昔のロシ....
「あられ笹」より 著者:宮本百合子
の作品ののっているのを見つけた。 屏風の絵の細部もそれで見たのだけれども宗達の
描線の特色を、専門ではどう表現するのか。即物的な柔軟さ、こわばったところのない暖....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
このように生命力の多様な発現の姿に興味を示した作家の世界が、そのつよい色彩や濃い
描線にかかわらず、いつも一種の暗さと頽廃を伴っているのはどういうものであろう。生....
「解説(『風知草』)」より 著者:宮本百合子
燃えたたせる姿がある。すがすがしい一種の革命的リリシズムがある。「風知草」はその
描線にいかようの省略があろうとも人間云いならわした愛という言葉、よろこびという言....
「山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
が出ている。容貌の点から言うと、金戒光明寺の方が遥かに美男らしいが、直線感の多い
描線に囲まれただけに、ほんとうのふくらみが感じられぬ。こちらは、阿弥陀というより....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
べし。仏人 Tei-san が美術史に曰く、「国芳の作画は常に活動の気に満ちその
描線の甚だ鮮明正確なるしばしば称賛に価すべきものあり。しかしてその色彩には好んで....
「良寛様の書」より 著者:北大路魯山人
があるとしても内容には雲泥の相違がある。法帖で見るところの懐素の書は、まず第一に
描線の運行が、素直なものではない。世間から上手といわるる書家の書にあり勝な、作り....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
に、武蔵の画との共通がある。においの似かようているものがある。構図の同想がある。
描線の一脈相近いものがある。 この相似は、誰を模したとか、学んだとか、そんな狭....
「正倉院展を観る」より 著者:吉川英治
きこまれる。 線といえば麻布の菩薩図には見|飽かなかった。この時代はまだ絵画の
描線も衣紋の筆法などもごく幼稚なものとばかり思惟していたのが一ぺんにくつがえされ....
「雪村筆「茄子図」」より 著者:吉川英治
かし仔細にみると、二箇の大茄子の重量感といい、花落ちの実や花の異様なモザイク風な
描線の組み方といい、尋常でない画人の風戯であることはすぐわかる。 雪村は、雪舟....