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提
「提〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
提の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
1
浅草《あさくさ》の仁王門《におうもん》の中に吊《つ》った、火のともらない大
提灯《おおじょうちん》。
提灯は次第に上へあがり、雑沓《ざっとう》した仲店《なかみ....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
た。
「何としてまた、吹かぬ事に致したな。」
「聊《いささ》かながら、少納言の菩
提《ぼだい》を弔《とむら》おうと存じますから。」
こう仰有《おっしゃ》って若殿....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
上を通る車馬の影が、早くも水靄《すいあい》にぼやけた中には、目まぐるしく行き交う
提灯《ちょうちん》ばかりが、もう鬼灯《ほおづき》ほどの小ささに点々と赤く動いてい....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
《みょうが》であった。兵衛はまず供の仲間《ちゅうげん》が、雨の夜路を照らしている
提灯《ちょうちん》の紋に欺《あざむ》かれ、それから合羽《かっぱ》に傘《かさ》をか....
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
瑞は高々《たかだか》と袖《そで》をからげた手に、青竜刀《せいりゅうとう》を一ふり
提《さ》げていた。彼等は静かに行長のいる翠金の帳へ近づこうとした。すると行長の宝....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
》い湘江《しょうこう》の水もじりじり幅を縮めて行った。すると薄汚い支那人が一人、
提籃《ていらん》か何かをぶら下げたなり、突然僕の目の下からひらりと桟橋へ飛び移っ....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
を躍らせると、――もう火の移った簾《すだれ》を衝《つ》いて、片手に剣《つるぎ》を
提《ひっさ》げながら、静な外の春の月夜へ、一目散に逃げて行った。
彼は歯を喰い....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
のが、十九の年に足場から落ちて、一時|正気《しょうき》を失った後《のち》、急に菩
提心《ぼだいしん》を起したとか云う、でんぼう肌の畸人《きじん》だったのです。
「....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
れなり馬を歩ませて行った。
騎兵は将軍を見送ると、血に染《そ》んだ刀《とう》を
提《ひっさ》げたまま、もう一人の支那人の後《うしろ》に立った。その態度は将軍以上....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
、容易に断定は出来ないかも知れない。
又
悉達多は六年の苦行の後、菩
提樹《ぼだいじゅ》下に正覚《しょうがく》に達した。彼の成道の伝説は如何に物質の精....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
訖従座而起《すでにおわりてざよりしてたつ》。安庠漸々《あんじょうにぜんぜん》向菩
提樹《ぼだいじゅにむかう》。』どうじゃ。『安庠漸々《あんじょうにぜんぜん》向菩
提....
「運」より 著者:芥川竜之介
仕方がないやね。」
青侍は、扇を帯へさしながら、立上った。翁《おきな》も、もう
提《ひさげ》の水で、泥にまみれた手を洗っている――二人とも、どうやら、暮れてゆく....
「墓」より 著者:秋田滋
て、わたくしは今一たび彼女の肉体を見ようと思ったのであります。 わたくしは鋤と
提燈と槌をもって家を出ました。墓地の塀を乗りこえて、わたくしは彼女を埋めた墓穴を....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
繰り返されたり。予は凱旋の将の如く得々として伯父より譲られたる銀側の時計をかけ革
提を持ち、「皆様御健勝で」と言うまでは勇気ありしが、この暇乞の語を出し終りたる後....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
はこの推薦書を下げろとファラデーに言った。ファラデーは、自分が出したのではない、
提出者が出したのだから、自分からは下げられないと答えた。デビーは「それなら、
提出....