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揖
「揖〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
揖の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
《そと》に咲き誇った、風のない初夏の午過《ひるす》ぎです。私は王氏の顔を見ると、
揖《ゆう》もすますかすまさない内に、思わず笑いだしてしまいました。
「もう秋山図....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
車を下らんとて弁者は席を起《た》てり。甲と乙とは渠に向かいて慇懃《いんぎん》に一
揖《いちゆう》して、 「おかげでおもしろうございました」 「どうも旦那《だんな》....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
進み入ったのは、白い鬚を垂れて紅い冠をかぶった老人で、朱鑠を仰いでうやうやしく一
揖した。 「貴様はなんの化け物だ」と、朱は叱り付けた。 「それがしは妖怪ではござ....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
を蒙りまするわ。 公子 ははは、(無邪気に笑う)失礼をしました。 博士、僧都、一
揖して廻廊より退場す。侍女等|慇懃に見送る。 少し窮屈であったげな。 侍女等親し....
「火薬船」より 著者:海野十三
おそれ入りますが、これにはいろいろ仔細がございまして……」 と、かの虎船長は一
揖して、きっと形をあらため、かたりだしたところによると、 「――この平靖号は、中....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
は、板取、帰、九頭竜の流を合せて、日野川の大河。 蟹五郎 美濃の国には、名だたる
揖斐川。 姥 二個の川の御支配遊ばす。 椿 百万石のお姫様。 姥 我ままは…… ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
爺殿でござります。」 と姥は云って、微笑んだ。 小次郎法師は、寿くごとく、一
揖して、 「成程、尉殿だね。」と祝儀する。 「いえ、もう気ままものの碌でなしでご....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
ったがな、部屋々々も昔風そのままな家じゃに、奥座敷の欄干の外が、海と一所の、大い
揖斐の川口じゃ。白帆の船も通りますわ。鱸は刎ねる、鯔は飛ぶ。とんと類のない趣のあ....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
解いて、市の姫は十二人。袴を十二長く引く。…… その市の姫十二人、御殿の正面に
揖して出づれば、神官、威儀正しく彼処にあり。土器の神酒、結び昆布。やがて檜扇を授....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
らいには美しく見える。こっちへ来るというので道中も余所とは違って、あの、長良川、
揖斐川、木曾川の、どんよりと三条並んだ上を、晩方通ったが、水が油のようだから、汽....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
ように、我等の身体を包みました。婆というは、何ものでござるじゃろう。」と、廉平は
揖しながら、手を翳して仰いで言った。 皺手に呼吸をハッとかけ、斜めに丁と鑿を押....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
えながら、 「思いがけない処にござった。とんと心着きませんで、不調法。」 と一
揖して、 「面です……はははは面でござる。」 と緒を手首に、可恐い顔は俯向けに....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
人も車夫も手持不沙汰なれば予は厚くその注意を謝し、今は我輩も帰るべしと巡査にも一
揖して月と水とに別れたり。この夜の清風明月、予の感情を強く動かして、終に文学を以....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
の室を辞して出た。その時、後を閉めようとして、ここに篤志の夜伽のあるのを知って一
揖した。 丹平すなわち、外から扉を押そうとすると、 「構いません、」と声をかけ....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
。――話をさらに二十年ほど戻して、私のふるさとの村へ返そう。 播州平野に流れる
揖保川は鮎の産地として名高い。私はその
揖保川の堤から二、三町ばかり行った百戸ばか....