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揚がり
「揚がり〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
揚がりの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
取り修業を励むなり、お気ままにしなせえよ。――では、伝六、そっちの湯づけのほうは
揚がり屋敷へおっぽり込んでおいてな、江戸錦どんとあとからゆっくりやって来なよ。豪....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
いっても、これにはだいたい三とおりの牢舎があって、すなわち第一は上がり座敷、別に
揚がり座敷とも書きますが、読んで字のごとく身分あるもの、それも禄高《ろくだか》に....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
一番さきに駈け付けた男である。お酉と喜兵衛の申し立てによると、次右衛門は道楽者の
揚がりだけに、近所の人達にも愛想がよく、これまで別に悪い噂もなかった。場所も悪し....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
その番頭の金兵衛という人でした」 「お俊さんというのはどんな女でした」 「商売人
揚がりだけに、誰にも愛嬌をふりまいて、近所の評判も悪くなかったようです。わたし共....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
、昔のような不意撃ちを食わせない。いわんや青天の霹靂などは絶無である。その代りに
揚がりぎわもよくない。雷も遠くなり、雨もやむかと見えながら、まだ思い切りの悪いよ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
三 「当り一本!」 スポッと冴え渡った音と共に、高々と呼び立てる声が
揚がりました。 「当り二本!」 つづいて三本。 つづいて四本。 さすがは奥....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
たね」 言う下から、あちらの街々、こちらの街々に、勃然として活気づいたその声が
揚がりました。 「ま! 見なんし! 見なんし! 豆菊さん! 蝶々さん! お半さん....
「決闘」より 著者:神西清
、フランスやドイツが一度でもわれわれを凌辱したら最後、われわれの士気は忽ちにして
揚がり、じつに心底からのウラーの叫びを上げて敵陣に突進するのだ。君らはわれわれの....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
学者にも町人にもおのおの定まりたる職分あらざるはなし。 しかるに半解半知の飛び
揚がりものが、名分は無用と聞きて、早くすでにその職分を忘れ、人民の地位にいて政府....
「精」より 著者:マクラウドフィオナ
心と心の動悸がきこえ、溜息もきこえた、そしてはるかに遠い鳥の歌かとおもわれる声が
揚がり又さがり聞えた。 彼が吹き止めた時、うつろの樫から声がした―― 「わたし....
「とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
ので、類の少ない独占事業でなにかにつけて利潤は多かった。第一、荷嵩の割合に金目が
揚がり、商品も小綺麗な代物なので、河岸の中でも羨まれる魚問屋の一軒だった。 あ....
「三国志」より 著者:吉川英治
「夜、襄江で網をかけておりましたところ、一道の光とともに、河底からこんなものが
揚がりましたので」と、遥々、その品を、蜀へたずさえてきて、孔明に献じた。 黄金....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
彼女だったが、しかし東から北畠の亜相がこれへ帰ってからは、廷臣たちの意気もとみに
揚がり、廉子も今なお少しのおとろえもみせぬその人に、 「まだ、親房がいたものを」....
「柳生月影抄」より 著者:吉川英治
「行く先は」 「九州一円――わけても肥前、大村、天草、島原の辺り」 「火の手の
揚がりようによっては薩摩も危ないものでございますな」 「其方も感じておったか。諸....
「俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
というものを土台において、その土台の上において揚雲雀の揚がるのを見る人とは、同じ
揚がり具合を観察する上においても大変な相違があると思われる。このシットリした心持....