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「揚ぐ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

揚ぐの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
なるを語れり。漆のごとき髪はやや生《お》いて、広き額《ひたい》に垂れたるが、吹き揚ぐる川風に絶えず戦《そよ》げり。 つくづく視《なが》めたりし白糸はたちまち色....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
長十二年富士焚とあり、また甲信譜による時は、享禄以降元亀天正まで富士不断に煙りを揚ぐと、こうはっきり記されてある。享禄以降天正までと云えばいわゆる戦国の真っ最中....
貧を記す」より 著者:堺利彦
なり。 垂柳子ついにたえずして去る。 我もまたついに守ることあたわずして引き揚ぐ。 かやなし 蚊の出で来たること夜々に多し。下座敷にては老人たちす....
暗黒公使」より 著者:夢野久作
す 一方帝国ホテル前には、彼等が演技終了後華々しく町巡りをなして帝国ホテルに引揚ぐべき花飾自動車が十数台整列しおりしも、時間尚早のため運転手等は一人も乗車しお....
十二支考」より 著者:南方熊楠
氏は黄金の四目あり、熊皮を蒙《かぶ》り、玄裳朱衣して戈《ほこ》を執り盾《たて》を揚ぐ、十二獣は毛角を衣《き》るあり、中黄門これを行う、冗縦僕財これを将《もち》い....
十二支考」より 著者:南方熊楠
バロメツと附けた。その幹一尺ほど長く横たわるを四、五の根あって地上へ支《ささ》え揚ぐる。その全面長く金色《きんいろ》な綿毛を被った形、とんとシジアの羔《こひつじ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
玉を助命して帰ったは、勇気貞操兼ね備わり、真に見揚げたとまで言い掛けたが、女を見揚ぐるはどこぞに野心あるからと仏が戒めたから中止として、谷本博士が言われた通り、....
南極の怪事」より 著者:押川春浪
虎のごとく跳りかかりヤット一声船長を斬りさげたり、船長の躰は真二つに割れ、悲鳴を揚ぐるいとまもあらず、パッタリと倒る、血は滾々と流れて、その辺は一面に真紅となれ....
かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
たるにまたもや大吉に認けられお前にはあなたのような方がいいのだよと彼を抑えこれを揚ぐる画策縦横大英雄も善知識も煎じ詰めれば女あっての後なりこれを聞いてアラ姉さん....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
た処へ、春廼舎からは盛んに文学を煽り立てられ、弟分に等しい矢崎ですらが忽ち文名を揚ぐるを見ては食指動くの感に堪えないで、周囲の仕官の希望を無視して、砂を噛んでも....
明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
吉田玉造。太夫は越路太夫、住太夫、津太夫らなりしが、東京の人気に適せず、早々に引揚ぐ。 ○十一月、千歳座にて「四千両小判梅葉」を初演。九蔵の藤岡藤十郎、菊五郎の....
山の人生」より 著者:柳田国男
山に住む所の山丈と云ふもの也。彼に行逢へば命は測り難し。前へ近づくべからず又声を揚ぐべからず、此林の茂みに影を匿せと謂ふ。市助は怖れおびえて、もとの路に馳せ返ら....