揚句[語句情報] »
揚句
「揚句〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
揚句の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
。が、大体を明かにすれば、伝吉は維新《いしん》後材木商を営み、失敗に失敗を重ねた
揚句《あげく》、とうとう精神に異状を来した。死んだのは明治《めいじ》十年の秋、行....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
じょうまる》は沈みますし、抛《な》げ銀は皆倒れますし、――それやこれやの重なった
揚句《あげく》、北条屋一家は分散のほかに、仕方のない羽目《はめ》になってしまいま....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
参りました猟師も、例の諸天童子の剣《つるぎ》にでも打たれたのか、急に目がつぶれた
揚句《あげく》、しまいには摩利の教の信者になってしまったとか申す事でございました....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
好い月日があったんです。」
それが、所謂片恋の悲しみなんだそうだ。そうしてその
揚句に例《エキザンプル》でも挙げる気だったんだろう。お徳のやつめ、妙なのろけを始....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
の路ばたに捨ててある死体と少しも変りはない。辱《はずかし》められ、踏みにじられ、
揚句《あげく》の果にその身の恥をのめのめと明るみに曝《さら》されて、それでもやは....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
ては大変ですから、私は御本宅の御新造が、さんざん悪態《あくたい》を御つきになった
揚句《あげく》、御帰りになってしまうまでは、とうとう御玄関の襖《ふすま》の蔭から....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
でさえこのくらいだから、少し面倒な語《ことば》になると、何度もその周囲を低徊した
揚句でなければ、容易に然るべき訳語にはぶつからない。しかも毛利先生はその度にひど....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
》の湯」と言う共同風呂がある、その温泉の石槽《いしぶね》の中にまる一晩沈んでいた
揚句《あげく》、心臓痲痺《しんぞうまひ》を起して死んだのです。やはり「ふ」の字軒....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
りは、湯がはねかったとか何とか云う、つまらない事からなのでしょう。そうして、その
揚句《あげく》に米屋の亭主の方が、紺屋の職人に桶で散々|撲《なぐ》られたのだそう....
「早春」より 著者:芥川竜之介
は一月《ひとつき》ほど前《まえ》に会った三重子である。三重子はさんざんにふざけた
揚句《あげく》、フット・ボオルと称しながら、枕を天井《てんじょう》へ蹴上《けあ》....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
かんぺき》の強い日錚和尚は、ほとんど腕力を振わないばかりに、さんざん毒舌を加えた
揚句《あげく》、即座に追い払ってしまいました。
「すると明治二十七年の冬、世間は....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
も一通りではない。現にあの琉球人なぞは、二人とも毒蛇《どくじゃ》に噛《か》まれた
揚句《あげく》、気が狂ったのかと思うたくらいじゃ。その内に六波羅《ろくはら》から....
「夢」より 著者:芥川竜之介
た宿も夜は大きい火取虫が何匹もひらひら舞いこんだりした。わたしはさんざん苦しんだ
揚句《あげく》、まだ一週間とたたないうちにもう一度東京へ帰ることにした。……
....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
なかった。この硯を僕に贈ったのは或若い事業家だった。彼はいろいろの事業に失敗した
揚句、とうとう去年の暮に破産してしまった。僕は高い空を見上げ、無数の星の光の中に....
「滝田哲太郎氏」より 著者:芥川竜之介
わした。何でも始めに前借したのは十円前後の金だったであろう。僕はその金にも困った
揚句、確か夜の八時頃に滝田君の旧宅を尋ねて行った。滝田君の旧居は西片町から菊坂へ....