揚羽蝶[語句情報] » 揚羽蝶

「揚羽蝶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

揚羽蝶の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
光と風と夢」より 著者:中島敦
た。墓前を埋めつくした真白な百合の花弁の上に、天鵞絨《ビロード》の艶を帯びた大黒揚羽蝶が、翅《はね》を休めて、息づいておった。………… 老酋長《ろうしゅうちょ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
のお留守居と聞けば、武辺、文道、両達の依田学海翁が、一夏土用の日盛の事……生平の揚羽蝶の漆紋に、袴着用、大刀がわりの杖を片手に、芝居の意休を一ゆがきして洒然と灰....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
魚のおみやげだと掻廻《かきまわ》す。邸町《やしきまち》の昼は静かで、座敷を大きな揚羽蝶《あげはちょう》が舞いぬけてゆく。お砂糖水をこしらえようと砂糖|壺《つぼ》....
幻の彼方」より 著者:豊島与志雄
方をしながら、順一を胸に抱きしめた。 「よかったわね、何でもなくて。」 大きく揚羽蝶を染め出した羽二重の帯に、派手な小紋金紗の羽織をつけていた。方々へ香奠返し....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
る青白さが美しい。局所を中心にして腹部と股に蜘蛛の巣がイレズミされてゐる。腹には揚羽蝶と木の葉がひつかゝり、片足の股の付根にカマキリが羽をひつかけて斧をふりあげ....
心霊の抱く金塊」より 著者:大倉燁子
ボコした岩の上を平地のように馳けて行く、私はその後を追うて走った。さながら二つの揚羽蝶が闇の中を飛んで行くように――、渓流に沿うて歩いたり、岩の間を潜ったり、下....