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握り太
「握り太〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
握り太の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
持ちながら携え帰ったのは、一本の丸樫杖《まるがしづえ》。――しかも、そのちょうど
握り太のところには、ぺっとりと生血の手形がついているのです。 「いかにものう! ....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
不機嫌になった咲子を見ると、初めは慈愛の目で注意していたが、到頭|苛々して思わず
握り太な籐のステッキで、後ろから頭をこつんと打ってしまったのであった。 それか....
「安重根」より 著者:谷譲次
同理事田中清次郎、同社員庄司鐘五郎を伴い、濃灰色のモウニングに、金の飾りのついた
握り太のステッキをついた伊藤公がドアに現れる。人々は静かに低頭する。伊藤公は庄司....
「田丸先生の追憶」より 著者:寺田寅彦
生の姿を見かけた記憶がある。なんでも袖の短い綿服にもめん袴をはいて、朴歯の下駄、
握り太のステッキといったようないで立ちで、言わば明治初年のいわゆる「書生」のよう....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
顔に、蒼白い笑みをうかべた伊賀のあばれン坊、裃《かみしも》の肩を片ほうはずして、
握り太の鞭を、群衆の頭上にふるう。
乱暴至極――。
ちょうど撒銭のたけなわな....
「電車停留場」より 著者:豊島与志雄
黙が破られた。群集の中から、パナマ帽を目深に被り、仕立下しの薄茶色の洋服をつけ、
握り太のステッキを手にした、可なりの年配の男が、つかつかと出て来て、二人の前に立....
「曽我の暴れん坊」より 著者:坂口安吾
と五郎は背中から大きな弓矢をとり下した。大変に大きな弓だ。普通の倍もあろうという
握り太の重籐の弓、一尺ぢかい鋭い矢の板をつけた長大の矢。はるか頭上にトビが二羽ピ....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
られた鉢白の面をかむり、これも同じように流儀に準じた二段染めの籠手をはめた手で、
握り太にして三尺五寸|鞣し革で包んだ竹刀を引っ下げ、おりから武者窓から棒縞をなし....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
放ツトキハ忽《タチマ》チ勃起ス老スルトキハ蓋甚ダ長大ナリ」と書き、握リタケとして
握り太なヅッシリしたキノコが描いてあるが、これは握リタケの名に因んでいい加減に工....
「子をつれて」より 著者:葛西善蔵
なり、まず敷台の隅の洋傘やステッキの沢山差してある瀬戸物の筒に眼をつける――Kの
握り太の籐のステッキが見える――と彼は案内を乞うのも気が引けるので、こそ/\と二....
「橋の上」より 著者:犬田卯
追い上げられていた。彼は振り切ろうとしたが、それが不可能だったのだ。さぶちゃんは
握り太の茨のステッキを持っていた。彼の一味の子分達が、またそれぞれの獲物をもって....
「艶色落語講談鑑賞」より 著者:正岡容
東京新聞」、その頃の「都新聞」の演芸部へ、一日、談判があると言って例の柔道着には
握り太の桜の洋杖で、太郎、堂々と乗り込んできた。 須田栄君が応待に出ると、いき....
「三国志」より 著者:吉川英治
を見てから広言を払え」 と、また一騎、駈け出た。 曹操の従弟、曹洪であった。
握り太な彫弓の満を引いて、びゅッと弦を切って放つ。その矢も見事、彼方の袍の心当を....