揮発油[語句情報] » 揮発油

「揮発油〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

揮発油の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
春の盗賊」より 著者:太宰治
か非科学的だ。椅子が燃え、柱が燃えるなど、ふだんは、なかなか想像できない。障子に揮発油をぶっかけて、マッチで点火したら、それは大いに燃えるだろうが、せいぜいそれ....
神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
タリアへ抗議を申し込みしことあり。やれ蚊が多くなった、熱病を漫布するとて、石油や揮発油ごとき一時的の物を買い込み撒きちらすよりは、神社の胡燕くらいは大目に見て生....
少女地獄」より 著者:夢野久作
プリと浸した綿で顔を蔽《おお》うて、積み重ねた燃料の下に潜り込むつもりです。私は揮発油を嗅いでも、すぐにフラフラになる性分ですから××××を沢山《たくさん》に嗅....
島原心中」より 著者:菊池寛
まっていたこと、男が持っていた短刀をお主婦がもぎ取ったこと、短刀を使う前に二人は揮発油を飲んだが、死に切れなかったこと。 僕は、そうした前後の事実をきいた後、....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
に書物の手入をしていた。何でも久しく抛って置いたので、書物にカビが生えたと云って揮発油を綿に浸ましてせっせと拭いていたのだった。 「所が可笑しいんですよ」 谷....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
たとえば手近なところで震災火災風災に対する科学的常識とか、細かいことではたとえば揮発油取り扱いの注意とか、誤って頭を打撲したときの手当とかいうものは万人必要の知....
伸子」より 著者:宮本百合子
た姿で、せっせと毛糸をまいていた。壁に新聞附録の美人画がはりつけてあり、赤い襟が揮発油で洗って窓の上にかけてある。伸子は心持よく手を動かしていた。小さい時分、母....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
のに非ず。同夜、何等かの水に非ざる液体(例えば香水、化粧水、又はクリーニング用の揮発油の如きもの)等を口にしたる証左にして、その他の病的現象の大部分も、該液体の....
青玉の十字架」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
るために、理性の限界をも理解しているのだ。発動機について何も知らない人に限って、揮発油なしに発動機を動かすことを論ずるのだ。また、理性について何も知らない人に限....
巴里のキャフェ」より 著者:岡本かの子
の地揺れのたびに落ちるマロニエやプラタアヌの落葉。 テーブルの上へ、まだ活字が揮発油で濡れているパリ・ミデイの一版を抛り出して、キャフェの蕭条をまづ第一に味わ....
地虫」より 著者:小栗虫太郎
、そこから、淡い藤色をした小腸の端がのぞいている。 船員は、群れてくる船蟲を、揮発油で防ぎながら、 「ねえ旦那、こりゃ他殺でしょうかねえ。きょう日は、裸で涼む....
生きている戦死者」より 著者:牧逸馬
んな危い橋を渡る人間ではない」全く彼は、神経質なほど几帳面な性格だった。「あれは揮発油ですよ。自動車に使う揮発を、危険ですから、五つの錻力の桶に入れて、ああして....
食道楽」より 著者:村井弦斎
む。球葱は蛋白質一分六厘、脂肪一分、含水炭素八分三厘を含む。 ○葱の臭気は一種の揮発油硫化アルリールあるによる。 ○豌豆は蛋白質弐割弐分、脂肪二分、含水炭素五割....
地異印象記」より 著者:和辻哲郎
る東京を焼き払うことが可能であるゆえに、信じたのである。(自分は放火爆弾や石油、揮発油等の所持者が捕えられた話をいくつかきいた。そうして最初はそれを信じた。しか....