揺るがす[語句情報] » 揺るがす

「揺るがす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

揺るがすの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
鎮魂歌」より 著者:原民喜
ては駄目だ、こちらは日毎《ひごと》に苦しくなって行く……父の手紙。父の手紙は僕を揺るがす。伊作さん立派になって下さい立派に、……伯母の声だ。その声も僕を揺るがす....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ならば、決して不運はないであろう。あるいは少なくとも、数本の枝は吹き折っても幹を揺るがすることのない暴風のように、その困難はただ通り過ぎてしまうであろう。 銀....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
君の家に行って下さい。隣の家の樋《とい》から雨水が流れ込んできて自分の家の土台を揺るがすと言って訴えてきたのです。次に、ギブール街のドリス未亡人とガロー・ブラン....
地上」より 著者:島田清次郎
て来た。ああ、そのためにのみ今まで黙って来た平一郎であった。彼はこの彼の全存在を揺るがす言葉の前に寂しい致命の痛みを感じつつ青い空を仰いだのだ。そうして、そこに....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
笑みに崩れた。と、とてつもない勘次の銅鑼声《どらごえ》が彦兵衛に和して、朝の街を揺るがすばかりに響き渡った。 「あれ、よしこの何だえ お茶漬さらさら」....
雨の上高地」より 著者:寺田寅彦
その渦が時々|風陰のこの谷底に舞い降りて来るので、その度ごとにこうした突風が屋を揺るがすのではないかと思われた。 夜が明けても雨は小止みもなく降り続いた。松本....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
監の警部が注意する。聴衆は沸騰する。 「横暴! 」 「横暴! 」 の声が満堂を揺るがす。 菊子嬢は聴衆を鎮めて、 「ただ今のは、中止ではありません。注意であ....
三国志」より 著者:吉川英治
城頭へ蜀旗をひるがえせ」 と、搦手の門へかかった。 すると、門の内で、全城を揺るがすばかりどっと笑う声がした。 「やや。城中にはまだだいぶ兵力が残っているぞ....