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揺落
「揺落〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
揺落の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「武蔵野」より 著者:国木田独歩
なれども雨はすでに止みたりとおぼし」
同二十三日――「昨夜の風雨にて木葉ほとんど
揺落せり。稲田もほとんど刈り取らる。冬枯の淋しき様となりぬ」
同二十四日――「木....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
日三日の遅延は大したことではない。素手で帰ることがしのびがたいのであった。その動
揺落胆はむしろ恐ろしいのである。獲物は眼と鼻との間に見えている。当然、中途はんぱ....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
に離れて消えて行く、葉を一杯に荷った楡の樹のような積雲は、方々が頽れて、谷底へと
揺落してしまう、そうしてその分身が、水陸両棲の爬行動物のように、岩を蜿ねり、谷に....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
つ巌、狭く鋭く、踵から、爪先から、ずかり中窪に削った断崖の、見下ろす麓の白浪に、
揺落さるる思がある。 さて一方は長者園の渚へは、浦の波が、静に展いて、忙しくし....
「雪霊続記」より 著者:泉鏡花
渦が、風で、ごうと巻いて、捲きながら乱るると見れば、計知られぬ高さから颯と大滝を
揺落すように、泡沫とも、しぶきとも、粉とも、灰とも、針とも分かず、降埋める。 「....
「女侠伝」より 著者:岡本綺堂
立寄ったのは、秋もようやく老いんとする頃で、梧桐はもちろん、槐にも柳にも物悲しい
揺落の影を宿していた。 わたし達も好きで雨の日を択んだわけではなかったが、ゆう....