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損する
「損する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
損するの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
と見えたが、種吉は算盤《そろばん》おいてみて、「七|厘《りん》の元を一銭に商って
損するわけはない」家に金の残らぬのは前々の借金で毎日の売上げが喰込《くいこ》んで....
「渦巻ける烏の群」より 著者:黒島伝治
けといてくれんか。」 「……室《へや》が冷えるからだめ。――一度開けると薪三本分
損するの。」 彼女は、桜色の皮膚を持っていた。笑いかけると、左右の頬に、子供の....
「俊寛」より 著者:菊池寛
ういう仕事に用いることで、これから先の生活にどんな必要であるかもしれない道具が破
損することを、恐れねばならなかった。屋根は、唐竹で葺いた。この島の大部分を覆うて....
「わが町」より 著者:織田作之助
お辰の目にひき合わぬと見えたが、種吉は算盤おいてみて、 「七厘の元を一銭に商って
損するわけはない」 しかし、彼の算盤には炭代や醤油代がはいっていなかったのだ。....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
き、草も、木も、人も、室も、この中へと融合同化してしまう。そして、山体の完備を欠
損するかの如くに見える放射状の側火山も、同心円の御中道も、輻射状の谷沢も、レイニ....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
あった。枯れ葉に足をとられて、せっかくのぼった斜面を、ずるずるとすべり落ちて、大
損することもあった。またぐちゃりと気味のわるい、山びるをつかんで青くなったことは....
「文士としての兆民先生」より 著者:幸徳秋水
らんがために作るものではなかった。其売れる売れないとは毫も文士として先生の偉大を
損するに足らぬのである。....
「怪塔王」より 著者:海野十三
らせさえ感じられます。 「ざんねんだなあ。こうしていては、雲にまかれてガソリンを
損するばかりだ、しかたがない、雲の外に出よう」 雲の外に出ようといっても、いつ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
ぬ。殊に物理的の心霊現象の作製には甚だ不向きで、強いて之を行えば、霊媒の肉体を毀
損する患がないでもない。尚お日曜日が不適当な事につきては、他にも特殊の理由がある....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
ることの出来ない装置になっていた。けれども、取扱いに注意を欠いて斜に置いたり、破
損するようなことがあっては安全を期することは出来ない。 悪い時には仕方のないも....
「バットクラス」より 著者:岡本かの子
が、 「これほどの由緒ある建築にあまり手をつける事は賛成出来ない。骨董的価格を減
損するというものだ。自然保険料を値上げしなければならない」 と彼女の夫に忠告し....
「迷信解」より 著者:井上円了
るもの、なお迷信の淵に沈みおるありさまにては、実に国家の体面を汚し、国民の名誉を
損するといわねばならぬ。 『国定修身書』には「諸子よ、昔は不思議なりとて恐ろしが....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
書に包んで頼みに来る洒落者もあった。椿岳は喜んで受けて五厘の潤筆料のため絵具代を
損するを何とも思わなかった。 尤もその頃は今のような途方もない画料を払うものは....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
府が二十|哩や三十哩の土地を失って、そこへ城を建てさせて置いたところが別段威厳を
損するというような事はもちろんない。だからチベット政府がそこへ城をたてた時分に、....
「「特殊部落研究号」発行の辞」より 著者:喜田貞吉
にこれ有り、その過去の沿革を調査することが、何らこれらの人々の威厳を害し、名誉を
損するものにあらずと思考致し候う。ついてはこの際なおさらに大方諸賢より、左記事項....