損なう[語句情報] » 損なう

「損なう〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

損なうの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ゼラール中尉」より 著者:菊池寛
に、しかも執拗に相手に強いた。しかもそれを拒絶することは、たいていの場合に友情を損なう危険を伴うていることが多かった。十日と経ち、二十日と経つうちに、大尉はゼラ....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
のように眤《じっ》と見つめている。鈴木君はこいつ、この様子では、ことによるとやり損なうなと疳《かん》づいたと見えて、主人にも判断の出来そうな方面へと話頭を移す。....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
が、心持ち両肩を縮めると、首を突き出し、上眼を使い、狙ったは小一郎の頤の辺。「見損なうなよ、この吉次を!」 「見損なうなよ、一式小一郎を」 とたんに、「うん!....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
からある、人を殺すことにかけては、当時この道庵の右に出る奴は無《ね》え……人を見損なうと承知しねえぞ」 といって、起き上ると、ひょろひょろと駈け寄って、裸松の前....
鷹を貰い損なった話」より 著者:寺田寅彦
×の消息はその後全く分らない。 尤も、この頃でもやはりときどきは「鷹を貰い損なう」ことがあるような気がするのである。 (昭和九年八月『行動』)....
喫煙四十年」より 著者:寺田寅彦
捨てないで望遠鏡を覗いていると煙が直上して眼を刺戟し、肝心な瞬間に星の通過を読み損なうようなことさえあった。後にはこれに懲りて、いよいよという時の少し前に、眼は....
首頂戴」より 著者:国枝史郎
行列が通るのだ。ああ然うだよ、江戸へ向かってな。が、ナーニ見たようなものだ。遣り損なうに相違ない。相手はあれ程の人物だからな。そこへこの俺が付け込むのだ。と、村....
二人町奴」より 著者:国枝史郎
据えた。 「うむ、それか」と云ったものの藤兵衛はしばらくは物を云わない。 「やり損なうに相違ないと、俺らハッキリ睨んだからさ」 それから少し間を置いたが、 「....
食べもの」より 著者:佐藤垢石
山の人々は眼を丸くした。はじめてのほどは、砂糖など平常用いると、山人の自然生活を損なうものであるといって配給を拒絶した。海の魚など、おっかねえと叫んで手も触れな....
炎の人――ゴッホ小伝――」より 著者:三好十郎
く聞き入れないで、あなたは、このようにけがらわしい所に説教所を設け、教会の威厳を損なうような不潔な服装をして、自分自らがキリストの再来であると言うようなことを口....
現下文壇と探偵小説」より 著者:平林初之輔
小説では、筋は極度に軽蔑され、何らか纏まった筋のあることはかえって作品の真実性を損なうものとすら考えられていた傾向がある。 だが探偵小説においては一貫した、変....
文芸は進化するか、その他」より 著者:平林初之輔
他の小説には通用できないもので、他の小説に適用すると、かえってその作品の芸術性を損なうようなものであることを見るのである。 その中で最も風変わりなものを拾って....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
、一時は胆を潰しましたよ。」 「そうだろう。まあ、早く行って逢おうよ。※に殺され損なうなんて、馬鹿な話だ。言語同断だよ。」 大学生は七兵衛に誘われつつ、威勢よ....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
無し、このお刀が手に這入らなければ若旦那は生涯埋れ木にお成りなさるゆえ、此処で取損なうは残念なことだ」 と誠しやかに申します。これはおみゑが小三郎の手筋を知り....
ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
とその宣伝に乗ってサッカリンばかりなめています。やがて、サッカリン中毒で我が身を損なうこととも気づかず── 松山さん。あなたが今なめさせられている宗教はサッカ....