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損害
「損害〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
損害の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
ちはそのために健気《けなげ》にも戦死しました。しかし敵国に比べれば、そのくらいの
損害はなんともありません。この国にある毛皮という毛皮はたいてい獺の毛皮です。わた....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
らね。」
彼は時々話の合い間にこう言う註釈も加えたりした。僕も勿論僕自身に何の
損害も受けない限り、決して土匪は嫌いではなかった。が、いずれも大差のない武勇談ば....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
ある。
*
道徳の与えたる恩恵は時間と労力との節約である。道徳の与える
損害は完全なる良心の麻痺《まひ》である。
*
妄《みだり》に道徳に反す....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
露しなければならないからでございます。勿論それは、私の名誉にとって、かなり大きな
損害に相違ございません。しかし事情はこれを書かなければ、もう一刻の存在も苦痛なほ....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
ある。乳量が恢復せないで、妊孕の期を失えば、乳牛も乳牛の価格を保てないのである。
損害の程度がやや考量されて来ると、天災に反抗し奮闘したのも極めて意義の少ない行動....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
のであった。その後にまた自然探究の嫌いなアテンの哲学学派のために自然研究は多大の
損害を被ることとなった。その上に彼らの教理はキリスト教寺院の管理者の手に渡って、....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
ない。そういう関係から、鉄砲が発達して来ますと、射撃をし易くするためにも、味方の
損害を減ずるためにも、隊形がだんだん横広くなって深さを減ずるようになりましたが、....
「転機」より 著者:伊藤野枝
が、どんなにひどい迫害を受けているかをよく知っていたので、その交渉に続いて起こる
損害を受けるのが馬鹿らしかったのだ。それ故私もまた、それ程の
損害を受けないでも、....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
。 果して、さしものに猛り狂った大時化が、間もなく収まり、三浦の土地はさしたる
損害もなくして済んだのでしたが、三浦以外の土地、例えば伊豆とか、房州とかは百|年....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
不可犯の法則によりて支配せられる。若しこれを犯せば、彼を見舞うものは不幸であり、
損害であり、若し又|之を守れば、彼に訪るるものは進歩であり、満足である。 爰で....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
いう。 またその反対の例を記せば、彼の生麦事件につき英人の挙動は如何というに、
損害要求のためとて軍艦を品川に乗入れ、時間を限りて幕府に決答を促したるその時の意....
「妖怪学」より 著者:井上円了
て疾病を生ずるがごときは、いわゆる心部より生ずる病なり。しかして、生体機関の上に
損害を見るに至るは、いわゆる心部の結果を身部の上にきたすものなり。ゆえに、病患は....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
国並びに朝鮮において行なわれておるのであります。満州事変いらい日本が中国に与えた
損害は、人命では一千万人、財貨では五百億ドルといわれております。これほど迷惑をか....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
持って外交員に早変わり。浅草の深山洋紙店へ二百枚売れたのが手始めだったが、むしろ
損害の方が大きかった。 櫛原じいさんは段ボールを束にしたのを荷車に積んでひき、....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
の方針を確立し、その方針の下に一挙に迅速に決戦を行なうと、最初はまずなるべく敵に
損害を与えつつ、わが兵力を愛惜し、機を見て決戦を行なうとの二種に分かつを得べし。....