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「損所〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

損所の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
しい雨の日を山の上に送った。四日目になっても雨は降り続き、風もすこし吹いて、橋の損所や舞台の屋根を修繕するために村じゅう一軒に一人ずつは出た。雨間というものがす....
映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
でアルベールの愛の破綻と友情の危機を象徴するために、蓄音機の針をレコードの音溝の損所に追い込んでガーガーと週期的な不快な音を立てさせたり、あるいは、重要でない対....
災難雑考」より 著者:寺田寅彦
の機材の折れ目割れ目を一つ一つ番号をつけてはしらみつぶしに調べて行って、それらの損所の機体における分布の状況やまた折れ方の種類のいろいろな型を調べ上げた。折れた....
私の覚え書」より 著者:宮本百合子
も大分落付いて私は、天井や壁を見廻した。床の間などには砂壁が少し落ちたらしいが、損所はない。その中、不図、私の目は、机の上にある良人の懐中時計の上に落ちた。蓋な....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
みあげた。闖入者はこの松を伝って来たものらしくも思われなかった。忍び返しの竹にも損所はなかった。 「ずいぶん高い塀ですね」 「はい、ゆうべもお役人衆が御覧になっ....
黒点」より 著者:豊島与志雄
私に話して聞かしたことがある。兄が巻き込まれた調革《しらべがわ》には、前から少し損所があって、そこに兄の上衣の裾が捉えられたのを、役員達はどうしても是認しないで....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
じ一八二三年の十月の末に、ツーロンの住民は、軍艦オリオン号が大暴風雨に会った後、損所を修理するために入港してくるのを見た。このオリオン号というのは、後にはブレス....
少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
」 じっさいもう一と月のうちに、一同の住居する土地をきめねばならぬ、サクラ号の損所はだんだんはげしくなる、このぶんでは、一と月ももたぬかもしれぬのだ。 四人....
妖怪学」より 著者:井上円了
のみ。すなわち、人の身体はその自然の勢い、もとに復せんとするの性ありて、いったん損所をその一部分に生ずるも、これをその性に任じて他よりその発達に妨害を加えざれば....