» 搏

「搏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

搏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
ならない。筆はおのずから勢いを生じて、一気に紙の上をすべりはじめる。彼は神人と相搏《あいう》つような態度で、ほとんど必死に書きつづけた。 頭の中の流れは、ちょ....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
さいました。 「さようでございます。風俗はとんと火の燃える山の中からでも、翼に羽搏《はう》って出て来たようでございますが、よもやこの洛中に、白昼さような変化《へ....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
葉を遮《さえぎ》った。 「それがいかんですな。熱はずんずん下《さが》りながら、脈搏は反《かえ》ってふえて来る。――と云うのがこの病の癖なんですから。」 「なるほ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
的でなければならぬ筈《はず》である。しかも彼等は未《いま》だ嘗《かつ》て人生の脈搏《みゃくはく》に触れたことはない。殊に彼等の或るものは英仏の文芸には通じても彼....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
の上に、青い粉を刷いたような、一対の烏羽揚羽なのです。その時は気のせいか、額へ羽搏った蝶の形が、冷やかに澄んだ夕暮の空気を、烏ほどの大きさに切抜いたかと思いまし....
「二つの道」より 著者:有島武郎
は、深く胸にしみ渡るではないか。昔キリストは姦淫《かんいん》を犯せる少女を石にて搏《う》たんとしたパリサイ人に対し、汝らのうち罪なき者まず彼女を石にて搏つべしと....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
時に皆揺動いた。 これに悚然とした状に、一度すぼめた袖を、はらはらと翼のごとく搏いたのは、紫玉が、可厭しき移香を払うとともに、高貴なる鸚鵡を思い切った、安から....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
殿の御后を垣間見た、天狗が通力を失って、羽の折れた鵄となって都大路にふたふたと羽搏ったごとく……慌しい遁げ方して、通用門から、どたりと廻る。とやっとそこで、吻と....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
を爽に、もとの流の上に帰ったのは、あと口に水を含んだのであろうも知れない。諸羽を搏つと、ひらりと舞上る時、緋牡丹の花の影が、雪の頸に、ぼっと沁みて薄紅がさした。....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
茎の、且つ浮き且つ沈むのが、幾千羽の白鷺のあるいは彳み、あるいは眠り、あるいは羽搏つ風情があった。 青い頭、墨染の僧の少い姿が、御堂内に、白足袋でふわりと浮く....
「橋」より 著者:池谷信三郎
。 橋の袂でシイカが言った。 ４ 暗闇の中で伝書鳩がけたたましい羽搏きをし続けた。 彼はじいっと眠られない夜を、シイカの事を考え明すのだった。彼....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
可懐しいものであったから、南無三仕損じたか、逃後れて間拍子を失った悪戯者。此奴羽搏をしない雁だ、と高を括って図々しや。 「ええ、そっちを引張んねえ。」 「下へ、....
「多神教」より 著者:泉鏡花
ほうほう。（と言うままに、真先に、梟に乗憑られて、目の色あやしく、身ぶるいし、羽搏す。） ――これを見詰めて、禰宜と、仕丁と、もろともに、のり憑かれ、声を上ぐ。....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
六尺、ひとりでにきりきりと動出すのに連れられて、世に生れて、瞳の輝く第一番に、羽搏き打って、宙へ飛ぼうとする処を、しっかり引留めたようでしたとさ。 それはね、....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
れ勝ちで遂に初志を貫きかねた。漢口駐屯時代に徐州で木炭中毒にかかり、それ以来、脈搏に結滞を見るようになり、一時は相当に激しいこともあり、また漢口から帰国後、マラ....