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「搬出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

搬出の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
母子叙情」より 著者:岡本かの子
のバスが揺れながら来た。かの女等はそれを避けて畑道へそれた。畑地には、ここらから搬出する晩春初夏の菜果が充ちていた。都会人のまちまちな嗜好を反映するように、これ....
禰宜様宮田」より 著者:宮本百合子
ほど山中の、至って交通の不便な部落から、切石、鉱石、蒔炭の類を産するので、町への搬出を手軽く出来るように、町からそっちへ売りこむ日用品をも楽に供給するために、出....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
の廃絶に関しては、何事をも知ることが出来ぬのである。警視庁は廃寺等のために墓碣を搬出するときには警官を立ち会わせる。しかしそれは有縁のものに限るので、無縁のもの....
時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
そのわけは、例ののこりの爆弾装填物が、装填後十五年もたった今日、この租界の外に搬出されてしまったのであるか、それとも時限器の狂いでもって、二十六日以後に爆発す....
猫捨坂」より 著者:豊島与志雄
身を寄せてるからには、自分たちだけ逃げ出さずに、そこの家人と協力して、防火や荷物搬出や避難を共にすべきであろう。だが、彼等夫婦は、他を一切顧ることなく、がらがら....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
から兄へ手渡した最後の一通の取引に当るらしい)。 十二月十七日政子強制離婚荷物搬出。 十二月二十二日久五郎ら寮へ移る。 一月八日脅迫状(十一日金品引換え)....
戦後合格者」より 著者:坂口安吾
いではないか。そんな時に主義も主張もあるものか。万人相ともに、傷者を助け、死者を搬出するために精魂傾けるのが当然の人道ではないか。私は党が、三鷹事件を法廷戦術に....
二つの松川」より 著者:細井吉造
野営にとりかかっていると、東方の尾根ぎわにほのかに月の光を汲んだ。頭に記した木材搬出用のトロ道に出たのは、翌朝ここの天幕《テント》をたたんで一時間と行かないうち....
三国志」より 著者:吉川英治
金銀珍宝はいうまでもなく、軍需の貨物や文書官冊などもみな、昼夜、車につんで陸続と搬出し、これを淮水の岸からどしどし船積みして何処ともなく運び去った。 袁術も、....
」より 著者:中谷宇吉郎
地方による差など、調べる事はいくらでも出て来る。そしてそれらの色々の要素の中から搬出費用の極小になる条件を求めれば、それでたま引の物理的研究として先ず通用するの....
黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
も出るのかと聞いて見た。助七は笑って答えない。強いて質すと、以前荒ごなしの材木を搬出する際に若い女達もこの急崖を上下した。それを見上げてふと思い付いた名であると....