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「携える〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

携えるの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
母の匂い」より 著者:佐藤垢石
釣りを志して行った。父と私が釣り場へ行く時には、いつも養蚕に使う桑籠用の大|笊を携えるのであった。あまり数多くの若鮎が釣れるので、小さな魚籠ではすぐ一杯になって....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
ある。采配を腰にさし、甲冑騎馬で、金の三蓋猩々緋の一段幡連を馬印に立て、鎗鉄砲を携える百余人の武者を率いた。総勢の隊伍を、第一班から第六班までの備えに編み、騎馬....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
があり、切り下げ髪に洋服で下駄をはくものもある。長髪に月代をのばして仕合い道具を携えるもの、和服に白い兵児帯を巻きつけて靴をはくもの、散髪で書生羽織を着るもの、....
臨時急行列車の紛失」より 著者:新青年編輯局
器を携えいざといえば、それを振廻す男である。ゴメズはまた、カラタール氏の証書類を携える役目を自身で引受け、片時たりとも注意おさおさ怠りないのだ。我々の睨んだとこ....
六号室」より 著者:瀬沼夏葉
年度ヴィンナ大学病院最近処方』と題するもので、彼は患者の所へ行く時には必ずそれを携える。晩になると倶楽部に行っては玉突をして遊ぶ、骨牌は余り好まぬ方、そうして何....
惰眠洞妄語」より 著者:辻潤
夏アルプスへでも出かけるなら、私は『ツアラトウストラ』を忘れても『春と修羅』とを携えることを必ず忘れはしないだろう。 夏になると私は好んで華胥《かしょ》の国に....
ステッキ」より 著者:寺田寅彦
の大通りやボアの小道を散歩するのに、まさか弓矢や人殺し用の棍棒や台所用のパン棒を携えるわけにも行かないから、その代わりに何かしら手ごろな棒きれを持つことになった....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
。 トゥーサンはようやくにして、わずかなシャツや着物や多少の化粧品を包みにして携えることを許され、コゼットの方は、ただ文房具と吸い取り紙とだけを持っていった。....
殺人迷路」より 著者:浜尾四郎
》休んで傍《そば》の書記に何かひそひそと耳打をした。書記は机の上にある一件書類を携えると、いそいでドアの外に出て行った。 「ねえ君、そこで君の所謂《いわゆる》『....