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搾
「搾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
搾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼」より 著者:芥川竜之介
れからである。僕は勿論社会科学に何《なん》の知識も持っていなかった。が、資本だの
搾取《さくしゅ》だのと云う言葉にある尊敬――と云うよりもある恐怖《きょうふ》を感....
「或る女」より 著者:有島武郎
をあけようとすると外気の抵抗がなかなか激しくって押しもどされようとした。きりっと
搾《しぼ》り上げたような寒さが、戸のすきから縦に細長く葉子を襲った。
甲板には....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
をはじめ彼れの軽蔑《けいべつ》し切っている場内の小作者どもは、おめおめと小作料を
搾取《しぼりと》られ、商人に重い前借をしているにもかかわらず、とにかくさした屈托....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
はお前たちに何んといっていい現わすべきかを知らない。私の生命全体が涙を私の眼から
搾《しぼ》り出したとでもいえばいいのか知らん。その時から生活の諸相が総《すべ》て....
「二つの道」より 著者:有島武郎
鉛色の野の果てからは、腐肥をあさる卑しい鳥の羽音が聞こえてくる。この時人が精力を
搾《しぼ》って忘れようと勉《つと》めた二つの道は、まざまざと眼前に現われて、救い....
「星座」より 著者:有島武郎
しひかえて神妙にしていた。いつガンベに小賢《こざ》かしいという感じを与えて、油を
搾《しぼ》られないとも限らない不安がつき纏《まと》って離れなかったから。
「俺は....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
若い衆は起きられないという。一人は遊びに出て帰って来ないという。自分は蹶起して乳
搾りに手をかさねばならぬ。天気がよければ家内らは運び来った濡れものの仕末に眼の廻....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
ッフッとふくらまして来たけれど、」 と云う口許こそふくらなりけれ。主税の背は、
搾木にかけて細ったのである。 ト見て、お妙が言おうとする時、からりと開いた格子....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
の前にあらわに取り出して、不意に乗じて一種の尊敬を、そうでなければ一種の憐憫を、
搾り取ろうとする自涜も知っている。弱さは真に醜さだ。それを私はよく知っている。 ....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
しい快い感覚に木の葉の如くおののいた。喉も裂け破れる一声に、全身にはり満ちた力を
搾り切ろうとするような瞬間が来た。その瞬間にクララの夢はさめた。 クララはアグ....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
、決して寒帯民族そのものも真の幸福が得られなかった。力の強いものが力の弱いものを
搾取するという力の科学の上に立った世界は、人類の幸福をもたらさなかった。弱いもの....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
生。其奴を野郎見付ければひったくり、見付ければひったくりして、空手にして置いて、
搾り栄がしなくなると、靴の先へかけて星の世界へでも蹴っ飛ばそうと云うんだ。慾にか....
「明日」より 著者:井上紅梅
終りを告げた頃で、二人はふらふらよろよろと咸亨酒店を出たが、老拱はもう一度喉を引
搾って唱い出した。 「憎くなるほど、可愛いお前、一人でいるのは淋しかろ」 「アハ....
「火星の芝居」より 著者:石川啄木
方もあるのか?』 『莫迦な事を言え。先ず青空を十里四方位の大さに截って、それを圧
搾して石にするんだ。石よりも堅くて青くて透徹るよ』 『それが何だい?』 『それを....
「瘤」より 著者:犬田卯
」 「誰か奴をやっつけてくれるものが出ないことには、俺たちはいまにすっからかんに
搾られてしまう……」 ところで、それまでになっても、では、俺が出て、ひとつ……....