摘み取る[語句情報] » 摘み取る

「摘み取る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

摘み取るの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
った。 「こいつ」 といって翁は、膝頭の蝨を、宝玉を拾うように大事に、一粒ずつ摘み取る。老いの残れる歯で噛み潰した。獣の血臭いにおいがして翁の唇の端から血の色....
狂人は笑う」より 著者:夢野久作
木の梢にホンノちょっぴり芽を出しかけている、新芽の中の新芽ばかりをチョイチョイと摘み取ると、見返りもせずに人間の手許へ帰って来るのだそうです。 そこでソンナよ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ら一つぐらい」 「一つでもいけません、せっかく、月見草がお月見をしているものを、摘み取るのはかわいそうですよ」 「花が月見をする? それはおかしいね、母さん」 ....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
口の利きようをしますね。 どの美しい花をも自分の手に入れようとして、 自分の手で摘み取ることの出来ない 恋や情はないはずだと思う性ですね。 ところがなかなかいつ....
山の人生」より 著者:柳田国男
其声を知るべに谷を下りて打見やりたるに、身の長七八尺ばかりの大男二人、岩根の苔を摘み取る様子なり。背と腰には木葉を綴りたるものを纏ひたり。横の方を振向きたる面構....