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摘出
「摘出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
摘出の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「乞食学生」より 著者:太宰治
ない。私は、そこの茶店では、頑強に池の面ばかりを眺めて、辛うじて私の弁舌の糸口を
摘出することに成功するのである。その茶店の床几は、謂《い》わば私のホオムコオトで....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
明がつかないかぎり、事件の解答として満足すべきものとはならない。ドレゴの感覚から
摘出した“ゼムリヤ号発狂事件”や、水戸の唱えている“地球発狂事件”は共にこの範疇....
「階段」より 著者:海野十三
自分の前をすぎるギンブラ連中の服装を記録し、こいつを分類してギンブラ人種の性質を
摘出し大胆な結論を下すことにある。午後五時の銀座にはサラリーメンが八十パーセント....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
産させることに決心したのだ。手術は四十分ばかりかかったが、私の手で巧く終了した。
摘出されたのは、すこし太い試験管の、約半分ばかりを占領している四ヶ月目の××××....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
った。その後の事を語る順序として葉子の鎌倉日記のうち多く麻川氏を書いて居る部分を
摘出する。 某日。――麻川氏は私達より三四日後れ昨夜東京から越して来た。今朝早....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
にもかかわらず、はや法水は、この館の雰囲気を摸索ってその中から結晶のようなものを
摘出していったのであった。
玄関の突当りが広間になっていて、そこに控えていた老....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
ろう。とにかく怪談にせよ引力にせよ、一大事件だ。早いところその核心《かくしん》を
摘出《てきしゅつ》して、犯人を検挙せにゃいかん」 「犯人というほどのものじゃない....
「大脳手術」より 著者:海野十三
故があって肝臓を破って死に瀕した男があったとすると、これを即時手術してその肝臓を
摘出して捨て、それに代って、在庫の肝臓を移植する。その肝臓というのは、肝臓病では....
「什器破壊業事件」より 著者:海野十三
たの」 光枝の愕きはのちに帆村が大花瓶の中に仕掛けた録音線から、主人公の寝言を
摘出したときに絶頂に達した。例の不正な鉱脈の秘密が知られるかと気がかりの主人公は....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
だけのものを汲み出すのである。それ以外のものは、未練もなく捨て去る。必要なものを
摘出して不必要なる多くのものを悉く省略してしまうのである。 ところで力ある作家....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
と云うものさ」 「フム、そうすると」 「と云って、指紋のような直接犯人の特徴を指
摘出来るものではない。今も云った通り、屍体の謎を貫いている凄まじい底流なんだ、つ....
「人体解剖を看るの記」より 著者:海野十三
は何も入っていなかったようである。かくして切開された胃袋は切り放たれて、また外に
摘出された。そして腸の隣りに置かれた。 それから肝臓などがメスでもって切り放た....
「緑色の太陽」より 著者:高村光太郎
管によって多くの作品を検査して居る。氏のいわゆる「西洋臭い」作品はかくの如くして
摘出される。作画の技巧にまでもその SAEURE(酸)は影響を及ぼさずには止まな....
「キド効果」より 著者:海野十三
た一味に対して、「興奮曲線」がとられたのだった。三十九枚の曲線から、博士が最後に
摘出したものは三枚で、これが烏山栄二郎、磯谷狂助、犬塚豹吉という人間から得たもの....
「百喩経」より 著者:岡本かの子
のなかの愚人(仏教語のいわゆる決定性)の喩えばかりを集めた条項からその中の幾千を
摘出したものである。但し経本には本篇の小標題とその下の僅々二三行の解説のみより点....