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摘草
「摘草〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
摘草の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
自分の家《うち》のとはその時二十分近く違っていたからである。ところがその後《ご》
摘草《つみくさ》に行った帰りに、馬に蹴《け》られて土堤《どて》から下へ転がり落ち....
「食魔」より 著者:岡本かの子
あった。こちらの河原には近所の子供の一群がすでに漁り騒いでいる。むこうの土手では
摘草の一家族が水ぎわまでも摘み下りている。鞍馬へ岐れ路の堤の辺には日傘をさした人....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
しい片明りして、ミレーの「春」を活かして見る様であった。
(四)
摘草
三月八日。
今日も雲雀が頻に鳴く。
午食前に、夫妻鶴子ピンを連れて....
「魚の序文」より 著者:林芙美子
…」 彼女は癖《くせ》のように、その風呂敷を背中に隠して、ニヤニヤ笑いながら「
摘草《つみくさ》したのよ」と云った。 あんまり食べられそうな草がたくさんあるか....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
にして、小脇に目籠を抱えたままで出て来たお雪ちゃんが、目籠の中へ手を入れて、何か
摘草のようなものを取り出して、先生の目の前へ持って来て見せると、道庵先生がいちい....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
与えるものらしい。 「むいて上げましょうか」 「いいよ、いいよ」 お雪ちゃんは
摘草用《つみくさよう》の切出しを目籠の中からさぐり出して、米友のために柿の実の皮....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
夏近き吊手拭のそよぎかな 山畑は月にも打つや真間の里 銃提げて焼野の煙踏み越ゆる
摘草の約あり淀の小橋まで 一畑は接木ばかりの昼淋し 文使を待たせて菊の根分かな ....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
たが、この年の春、娘のお小夜が、気にいりのお年をつれて水上堤《みなかみづつみ》へ
摘草に行ったとき、とつぜん、石垣のあいだからニョロニョロと一匹の山棟蛇《やまかが....
「春」より 著者:竹久夢二
。 第二景 舞台は前景のまま、少年は木の枝など振りて歩きまわる。 少女
摘草などする。 この時舞台裏から左の歌が聞える。 ころ ころ 小山の 小兎は ....
「平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
道行《みちゆき》に短い道中差、絹の股引に結付草履《ゆいつけぞうり》という、まるで
摘草にでも行くような手軽ないでたち。茶筅《ちゃせん》の先を妙にへし折って、儒者《....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
を求むべきであろう。高低のある広い地は一面に雑草を以て蔽《おお》われていて、春は
摘草《つみくさ》に児女《じじょ》の自由に遊ぶに適し、秋は雅人《がじん》の擅《ほし....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
が、斯ういう広々とした景色の好い所は見られません……お一人でげすか」 伊「みんな
摘草に出かけたよ」 正「成田以来お目にかゝりませんか、彼の時に若旦那が掘出物をな....
「俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
るということを幸いに、春季になっている二日灸、針供養の二つで表したのであります。
摘草をすれば必ず来るところ 去年は病中であったためによく
摘草などをして日を暮ら....