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摧
「摧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
摧の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
と、のぼせ上ったために湯気を出さんばかり赤くなっていた。
仁右衛門はすっかり打
摧《うちくだ》かれて自分の小さな小屋に帰った。彼れには農場の空の上までも地主の頑....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
で意気地《いくじ》なきものとは想わざりしなり。 渠はこの憤りと喜びと悲しみとに
摧《くじ》かれて、残柳の露に俯《ふ》したるごとく、哀れに萎《しお》れてぞ見えたる....
「冬の日」より 著者:梶井基次郎
ぶばかりの凩に耳を澄ましていると、ある時はまだ電気も来ないどこか遠くでガラス戸の
摧《くだ》け落ちる音がしていた。 二 堯は母からの手紙を受け取....
「癩」より 著者:島木健作
たのであろう。やがて落着きを充分に取り戻すと同時に、どんなみじめな思いに心が打ち
摧《くだ》かれるであろうか、ということが意識の奥ふかくかすかに予想はされるのでは....
「魔法修行者」より 著者:幸田露伴
家の事であるのがその本来である。合気の術は剣客武芸者等の我が神威を以て敵の意気を
摧くので、鍛錬した我が気の冴を微妙の機によって敵に徹するのである。正木の気合の談....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
七 さて權六という米搗が、東山家に数代伝わるところの重宝白菊の皿を箱ぐるみ搗
摧きながら、自若として居りますから、作左衞門は太く憤りまして、顔の色は変り、唇を....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
な時に立って、百方その間を周旋し、いくらかでも明るい方へ多勢を導こうとしたものの
摧心と労力とは想像も及ばない。岩瀬肥後はそれを成した人だ。最初の米国領事ハリスが....
「太郎坊」より 著者:幸田露伴
と悟ったりしたが、まだどこともなく心が惹かされていたその古い友達の太郎坊も今宵は
摧けて亡くなれば、恋も起らぬ往時に返った。今の今まで太郎坊を手放さずおったのも思....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
っているのである。 ○ わが岡の※神に言ひて降らしめし雪の
摧し其処に散りけむ 〔巻二・一〇四〕 藤原夫人 藤原夫人が、前の御製に和え奉っ....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
質斯にあらぬことは僕もほぼ仮定し居たり。今更驚くべきわけもなし。たとい地|裂山|
摧くとも驚かぬ覚悟を極め居たり。今更風声鶴唳に驚くべきわけもなし。然れども余は驚....
「三つの痣」より 著者:小酒井不木
の中から搾り出すような声を出したかと思うと、どたりとたおれて、後頭部で腸管を圧し
摧き、凡そ二時間あまりは、息を吹き返しませんでした。無論後に彼は犯人であることを....
「周防石城山神籠石探検記」より 著者:喜田貞吉
たのはかれこれ十時であった。 当日同行者の一人柳川文吉氏詩あり。 懐炉扶病壮心
摧 踏破霜威幾崔嵬 千里検来千古跡 山神応是春風開 右従行喜田博士探検隊一行垂....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
ばかりは我も云わぬ、つまりは和熟した決定のところが欲しいゆえに、我欲は充分折って
摧いて思案を凝らして来たものの、なお汝の了見も腹蔵のないところを聞きたく、その上....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
へ、
帯をさへ添へて飾りぬ。
こは皆君等が賜なり。
君等、この入江の神等。
舟|
摧けて沈みし宝を、われ等がために、
歌の力もて引き寄せ給ひぬ。
セイレエ....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
ついて問題の寛元二年に先だつ三十余年の建暦三年に、栂尾の高僧明恵上人が、その著『
摧邪輪』の奥に「非人高弁上」と書いたのと、神宮文庫蔵寛元二年四月の文書に、「奈良....