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摩する
「摩する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
摩するの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
で、腕に撚《より》をかけると、ここ東京の丸の内、日本丸の機関部という、堂々青天を
摩する大建築を並べた。その中《うち》で最新式|請合《うけあい》付きのものが、曰《....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
分すると前方にあたって烏山の天文台の丸いドームが月光の下に白く浮かび出でた。天を
摩するような無線装置のポールが四本、くっきりと目の前に聳え立っているのであった。....
「芝刈り」より 著者:寺田寅彦
た。こおろぎや蜘蛛や蟻やその他名も知らない昆虫の繁華な都が、虫の目から見たら天を
摩するような緑色の尖塔の林の下に発展していた。 この動植物の新世代の活動してい....
「ねずみと猫」より 著者:寺田寅彦
は私にいろいろな音を連想させる。海の中にもぐった時に聞こえる波打ちぎわの砂利の相
摩する音や、火山の火口の奥から聞こえて来る釜のたぎるような音なども思い出す。もし....
「暗号音盤事件」より 著者:海野十三
ような気持をもって、ここまでやって来たのであるが、あの緑の樹で蔽われた突兀と天を
摩する恰好のいい島影を海上から望んだ刹那、そういう不安な考えは一時に消えてしまっ....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
きで、この数句は『実隆公記』中の圧巻といって可なるもの、ほとんど『明月記』の塁を
摩するものである。 文明九年参議となった実隆は、それから一年余りで従三位に叙せ....
「秦の憂愁」より 著者:豊島与志雄
張を亭主の方へやって、星野を促して外に出た。宵の街路は雑踏の盛りにあった。肩々相
摩する人込みは、それでも何の澱みも作らずに流れ動いていた。不思議に秩序ある混雑だ....
「サレーダイン公爵の罪業」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
めていると、島の向うの岸からある微かなしかしまぎれもない音が響いて来た――劔々相
摩する音だ。彼はうしろを振り向いた。 細長い島の遥かなる岬のような端、薔薇の花....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
とわずかずつにせよ大きくなって行く、そうして、子や孫の代にはいつのまにやら天をも
摩する巨木に成長するのである。そこで我々は現在携わっている職業が、この松の行き方....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
ってこれを縛し、(中略)竹の足を『おコックリ様、おコックリ様』と三べん唱えながら
摩するときは、種々奇怪なることを呈する由、云云」とあり。また、肥後国益城郡、柴垣....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
気が附かなかったであろう。お政にも昇にもモデルがあるといって、誰それであろうと揣
摩する人もあるが、作者自身の口からは絶えてソンナ咄を聞かなかった。勿論、文三が作....
「生きること作ること」より 著者:和辻哲郎
比肩し得るものがない。また心理と自然と社会との観察者としても、ロシアの巨人の塁を
摩する。彼もまた「人間」の運命を描いた。そして我々に新しいファウストを与えた。 ....
「フランケンシュタイン」より 著者:宍戸儀一
機が加わってきた」と著者みずから述べているように、シェークスピアやミルトンの塁を
摩するひとつの荘厳な運命悲劇を書こうとしたことも事実である。ここには、『失楽園』....
「後の日の童子」より 著者:室生犀星
わりを青篠でめぐらした離亭で、朱子を縫う針のきしみが厚い布地であるためか、竹皮を
摩するような音を立てていた。童子は、母親の、白い襟足と瘠せた肩とを目に入れ、そし....