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「摩れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

摩れの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
予が半生の懺悔」より 著者:二葉亭四迷
義《ソシアリズム》である。 だから、早く云って見れば、文学と接触して摩《す》れ摩れになって来るけれども、それが始めは文学に入らないで、先ず社会主義に入って来た....
少女病」より 著者:田山花袋
る兵隊さんもこれにはいつも三舎を避けた。 たいてい洋服で、それもスコッチの毛の摩れてなくなった鳶色の古背広、上にはおったインバネスも羊羹色に黄ばんで、右の手に....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
んだ。もし抽斎がわたくしのコンタンポランであったなら、二人の袖は横町の溝板の上で摩れ合ったはずである。ここにこの人とわたくしとの間に※みが生ずる。わたくしは抽斎....
余興」より 著者:森鴎外
た。 「でも」と云ったきり、噴き出しそうになったのを我慢するらしい顔をして、女は摩れ違った。 私は筵会の末座に就いた。若い芸者が徳利の尻を摘まんで、私の膳の向....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
繞ぐっているのは、槍ヶ岳から穂高岳、岳川岳へとかけた岩石の大屏風で、両方とも肩を摩れ摩れにして、大きな岩の塊を虚空に投げ上げている、高さを競って嫉刃でも合せてい....
青年」より 著者:森鴎外
る、ここの狭隘に、おりおり捲き起される冷たい埃を浴びて、影のような群集が忙しげに摩れ違っている。暫くは話も出来ないので、影と一しょに急ぎながら空を見れば、仁丹の....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
いや/\何でも逢って居ます」 孝「少さい時分に別れましたから、事に寄ったら往来で摩れ違った事もございましょうが、逢った事はございません」 白「いや/\そうじゃな....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
従って浪はます/\烈しく、ざぶり/\と舟の中に汐水が入りますのみか、最早|小縁と摩れ/\になりまして、今にも覆りそうな有様でございます。文治は心の中に、 「又....
」より 著者:森鴎外
である。昌平橋に掛かる時、向うから芸者が来た。どこかお玉に似ていると思って、傍を摩れ違うのを好く見れば、顔は雀斑だらけであった。矢っ張お玉の方が別品だなと思うと....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
杖で踏み堪えた訳ですがさて進むことが出来ない。後に引き返そうとしますと大分向うへ摩れ落ちて居るのでどうも後に帰ることが出来ない。 それからその杖を楯に取って非....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
商売の平生の群を離れたり、 頭の上を押さえている屋根や搏風の下を遁れたり、 肩の摩れ合うような狭い巷や 礼拝堂の尊い闇から出たりして、 外の明を浴びているのだか....