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摯実
「摯実〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
摯実の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「私の個人主義」より 著者:夏目漱石
根を身に着けて威張っているようなものですから。それでもう少し浮華《ふか》を去って
摯実《しじつ》につかなければ、自分の腹の中はいつまで経《た》ったって安心はできな....
「行人」より 著者:夏目漱石
自分の膝頭《ひざがしら》を見つめた。
「二郎お前もやっぱりお父さん流だよ。少しも
摯実《しじつ》の気質がない」と兄が云った。
自分は癇癪《かんしゃく》の不意に起....
「『土』に就て」より 著者:夏目漱石
いまで》眼を通したのである。其上池辺君は自分で文学を知らないと云いながら、其実|
摯実《しじつ》な批評眼をもって「土」を根気よく読み通したのである。余は出版界の不....
「母性偏重を排す」より 著者:与謝野晶子
その人たちは結婚して親となることにみずから一種の不幸が予知せられ、それを予防する
摯実な必要からそれを避けているのであり、あるいは結婚もせず親ともならない方がかえ....
「平塚さんと私の論争」より 著者:与謝野晶子
従事することを以て物質生活を持続することが普通の状態となるに到れば、今に幾倍する
摯実と熱心と勇気とを以て、一般の労働制度を我我に最も適応したものに鋳直さずには置....
「鏡心灯語 抄」より 著者:与謝野晶子
、今更のように時代の激変に驚いて、国民の前に自分たちの過去の積悪を愧じ入ると共に
摯実な内省の人に帰らざるを得ないであろう。そして時代の腐敗に愛想をつかして常に傍....
「新婦人協会の請願運動」より 著者:与謝野晶子
言うまでもなく、国際労働会議より帰られた田中孝子夫人も、益々婦人労働問題のために
摯実な研究と努力とを続けられる覚悟だということです。あれやこれやを湊合して、私は....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
男になれるかやい、つまらぬ思案に身を退いて馬鹿にさえなって居ればよいとは、分別が
摯実過ぎて至当とは云われまいぞ、おおそうならば我がすると得たりかしこで引き受けて....