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「摶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

摶の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
武蔵野」より 著者:国木田独歩
ていると、月は緩《ゆ》るやかに流るる水面に澄んで映っている。羽虫《はむし》が水を《う》つごとに細紋起きてしばらく月の面《おも》に小皺《こじわ》がよるばかり。流....
冬の日」より 著者:梶井基次郎
て、彼と彼の母が互いに互いを悩み苦しんでいる。そんなとき、彼の心臓に打った不吉な動《はくどう》が、どうして母を眼覚まさないと言い切れよう。 堯《たかし》の弟....
永日小品」より 著者:夏目漱石
がつかずに、青い竹垣をなぞえに向《むこう》の方へ廻り込んで見えなくなった。鳥は一《ひとはばたき》に手摺の下まで飛んで来た。しばらくは柘榴《ざくろ》の細枝に留《....
草枕」より 著者:夏目漱石
と這入《はい》って、床几《しょうぎ》の上へ腰を卸《おろ》した。鶏《にわとり》は羽《はばた》きをして臼《うす》から飛び下りる。今度は畳の上へあがった。障子《しょ....
道草」より 著者:夏目漱石
もう少し寐ていればよかったという気になった。 彼の弱点が御常の弱点とまともに相《あいう》つ事も少なくはなかった。 御常は非常に嘘《うそ》を吐《つ》く事の巧....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
どとは云われない。 それへ雀がさわった時、恐るべき事が行われた。 痙攣! 羽き! 全身麻痺! 雀は鞠のように固まった。 そうしてコロリと地へ落ちた。死骸....
」より 著者:徳田秋声
ちゃとても駄目なの。」 諍えば諍うほど、お増は自分を離れて行く男の心の冷たい脈に触れるのが腹立たしかった。ある晩などは、お増はくやしまぎれに、鏡台から剃刀を....
風立ちぬ」より 著者:堀辰雄
ついぞ見かけたこともないような、青味を帯びた鳥がちょっと愕《おどろ》いたように羽《はばた》いて飛び立ったが、すぐ他の枝に移ったままかえって私に挑みでもするよう....
原爆詩集」より 著者:峠三吉
巻きゆれかえしおし上り 雲・ 雲・ 雲・ 赤・橙・紫・ はるか天頂で真紅の噴火。ちあい、 爆発し、 渦巻きあがる煙の地殻の裂目から 気圏へ沸騰する 大気! は....
病中記」より 著者:寺田寅彦
しさはなくなったが急に力が抜けたような気がしてそのまま動かずに天井を見ていた。脈を取ってみたがたしかであった。なんだか早く宅へ帰って寝たいと思った。宅へ電話を....
醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
たりがすっかりきれいな春になっているのを知りました。するとこの若い鳥は翼で横腹をってみましたが、それは全くしっかりしていて、彼は空高く昇りはじめました。そして....
加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
より一層驚いたのは足を折られた大烏で、バタバタと枝から離れると、さも倦怠そうに羽きながら、森を潜って舞って行く。 「烏、烏、一本足の烏! 烏、烏、一本足の烏」....
夢のお七」より 著者:岡本綺堂
だか忌々しいような気になったので、彼はそこらの小石をひろって投げつけると、鶏は羽きをして姿を消した。 夢は唯それだけである。眼がさめると、連れの三人はもう帰....
」より 著者:岡本綺堂
れ。」と、弥太郎は熱心に耳をかたむけた。「あれは……。風の音でない。大きい鳥の羽きの音だ。」 とは言ったが、どの人の耳にも鳥の羽音らしいものは聞えなかった。....
南国太平記」より 著者:直木三十五
、それを感じると共に、危険さを、忘れてしまった。庄吉は、短刀を突き出して、鶏の羽《はばた》くように、片袖を翻しつつ、飛びかかった。 月丸は、躱して――斬ろう....