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摸索
「摸索〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
摸索の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
た。ああ、あの確証を得たいばかりに、毎夜私は、どんなにか空々しく、あの男の身長を
摸索《まさぐ》っていたことでしょう」 滝人は上気したような顔になって、知らず知....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
。 博士の助手の一人は、超音波の装置を胸にかけて、前方を、この聴こえない音波で
摸索している。 二人の護衛は、最前列に出て左右を確かめつつしずかにあるいている....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
るが、私に誠実を許してくれた。然し誠実とはそんなものでいいのだろうか。私は八方|
摸索の結果、すがり附くべき一茎の藁をも見出し得ないで、已むことなく覚束ない私の個....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
の予測は的中した。最初から死体を見ぬにもかかわらず、はや法水は、この館の雰囲気を
摸索ってその中から結晶のようなものを摘出していったのであった。
玄関の突当りが....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
途端に、 「あっ、何だ、どうしたんだ、えっ、どうしたと言うんだ、痛い!」 暗中
摸索《あんちゅうもさく》、折助どもがひっくり返り且《か》つひっくり返り、何をどう....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、何の不思議もないのですが、人というものは迷う時は方寸も千里の闇に似て、闇の中で
摸索すればするほど正体を暗いところに押しやってしまう。この分で、正面から押せば押....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
奇的|穿鑿を求めない。霊界の神学は飽までも単純で知識的である。われ等は単なる暗中
摸索を尊重しない。われ等は宗派的論争には興味を有たない。何となれば、そはただ怨恨....
「或る夜の武田麟太郎」より 著者:豊島与志雄
った。両人とも、小林に始終行きつけていたわけではない。なにかこう人生をまた文学を
摸索しあぐんで、お互いの思惟内容は多少異りながらも、市井のゲテ飲酒のうちに彷徨す....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ってる時に、ますますそれに落ち込んでいた。不運な詩作に時間と力とを濫費しながら、
摸索しつつ進んでいった。いかなる経験をもなめつくした。そしてかかる創作的|煩悶《....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
相をつかんでいる。他のすべての史家はある眩惑《げんわく》を感じ、その眩惑のうちに
摸索している。実際それは、閃々《せんせん》たる一日、軍国の崩壊である。そして諸国....
「純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
(二)利用曲線が不連続な場合の証明。 生産に関しては、均衡の成立のための予備的
摸索を仮定し、かつこの運動は有効になされるのではなく、取引証書によって(sur ....
「絵画の不安」より 著者:中井正一
n-Sein〕)の上にあらねばならない。 かかる意味で芸術史とは、永遠なる存在
摸索の記録とも考えられるであろう。そしてかのギリシャでは、調和をもって存在の形相....
「詩について語らず」より 著者:高村光太郎
、複雑になり、却て何も分らなくなってしまった状態です。今頃になってますます暗中|
摸索という有様なのです。 元来私が詩を書くのは実にやむを得ない心的衝動から来る....
「詩語としての日本語」より 著者:折口信夫
であるためには、日本の古語のもっている民族的な風格が必要だったのである。近代人の
摸索は、古語に観念的な内容を捉えようとしたのである。其が民族文学の主題であり、一....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
が折悪く開いていたやら。
ファウスト
(宮殿より出で、戸口の柱を手もて
摸索す。)
あの鋤のからから鳴るのが、実に好い心持だ。
あれは己に奉公している....