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撈
「撈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
撈の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
います」 渠は直ちに帯佩《おびさ》げの蟇口《がまぐち》を取り出して、中なる銭を
撈《さぐ》りつつ、 「ねえあなた、ここでああ惰《なま》けられてしまった日には、仏....
「鰊漁場」より 著者:島木健作
日割として給料金のうちから引去ること。労務に服するのは日出より日没迄であるが、漁
撈、製造の場合は昼夜をとわず、凡て旦那、親方の命に従い何時にても労務に服すること....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
なった。明鯛から鱈、鱈から鰊、鰊から烏賊というように、四季絶える事のない忙しい漁
撈の仕事にたずさわりながら、君は一年じゅうかの北海の荒波や激しい気候と戦って、さ....
「蘆声」より 著者:幸田露伴
寄せられた。その時予の後にあって※網を何時か手にしていた少年は機敏に突とその魚を
撈った。 魚は言うほどもないフクコであったが、秋下りのことであるし、育ちの好い....
「縮図」より 著者:徳田秋声
初めて働き効のあるような気がするのであった。 真綿は繭を曹達でくたくた煮て緒を
撈り、水に晒して蛹を取り棄てたものを、板に熨して拡げるのだったが、彼女は唄一つ歌....
「青年」より 著者:森鴎外
というようなものを二三枚ずつ蒔いて置いて、Aと読んだ時、蒔いてあるAの札を残らず
撈ってしまえば好いわけになる。若し歌がるたに価値があるとすれば、それは百首の歌を....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
の補助と考えてよいほど、わずかである。従ってこの新世界の住民は、主として狩猟と漁
撈によって生活しているものと考えてよい1)。そしてこのような生活様式に対する限界....
「経済学及び課税の諸原理」より 著者:吉田秀夫
るであろうからである。
(一五)もし吾々が、社会の職業の範囲が拡張し、ある者は漁
撈に必要な独木舟及び船具を作り、また他の者は種子及び始めて農業に用いられる粗末な....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
だ。僕は神主なんてものは時代に合わんと思うね。『海の幸をささげまつる』なんて、漁
撈の事ひとつ言うのでも父のはこうした形なんだ」 彼は舷から下した糸を指であつか....
「雁」より 著者:森鴎外
よりも大切にしていた爺いさんは、こわい顔のおまわりさんに娘を渡すのを、天狗にでも
撈われるように思い、その壻殿が自分の内へ這入り込んで来るのを、この上もなく窮屈に....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
想像し得るよりも良くする上に、大いに与《あずか》って力あることは、疑い得ない。漁
撈により相当の食物の供給を得る望があるために予防的妨げが同じ程度には行われていな....
「奥の海」より 著者:久生十蘭
柄で、寛濶な日々を送れたものを、こんな辺土の浦浜《うらはま》へ流れきて、不法の漁
撈《ぎょろう》に連座し、つまらなく腹を切るというのは」 「辺土々々といわれるが、....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
い気持に懐に抱いて、
自分を神のようにふくらませて、
推思の努力で大地の髄を掻き
撈り、
六日の神業を自分の胸に体験し、
傲る力を感じつつ、何やら知らぬ物を味い、....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
ッこ抜くが早いか、仙太郎は少しく起倒流を習って居りますから、飛び込んで侍の足柄を
撈って投り出すと、バタリと仰向けに倒れる上へ乗しかゝりましたので、萩原束は組み敷....
「アイヌ宗教成立の史的背景」より 著者:知里真志保
んから許して下さい」と陳謝いたします。それで、このお祭は終るのであります。 漁
撈に関して行われたこのような風鎮めの祭は、古くは酋長たるシャーマンが祭主となって....