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撞木杖
「撞木杖〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
撞木杖の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
には、赤い三角型の頭巾を冠って、黒い長い外套を羽織った鼻の高い老婆がタッタ一人、
撞木杖を突いて立ち佇まっているが、如何にも手柄顔に火刑柱の三人の苦悶を、貴人に指....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
人の子供がありました。 「かわいそうに、あの子供は跛足《びっこ》だね」 それは
撞木杖《しゅもくづえ》を左の脇の下にあてがって、頭には竹笠《たけがさ》を被《かぶ....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
|嶽、梟、梟と一口に称えて、何嶽と言うほどじゃねえ、丘が一座、その頂辺に、天狗の
撞木杖といった形に見える、柱が一本。……風の吹まわしで、松明の尖がぼっと伸びると....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
を掛けたりした、擦り切れた服を身に着けていた。そして、ちびのティムよ、彼は小さな
撞木杖を突いて、鉄の枠で両脚を支えていた。 「ええ、マーサはどこに居るのか」と、....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
得。」とある。 三四 ※杖。――跛者などが腋の下にあてて歩くに用うる丁字形の杖。
撞木杖。 三五 三孔滑車。――船で静索や支索を張ったりその他の目的に用いる締索を....
「雪の女王」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
。 ゲルダはもっと大きなこえで、よびかけてみました。すると、その家のなかから、
撞木杖にすがった、たいそう年とったおばあさんが出てきました。おばあさんは、目のさ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
じこめられてるのだ! 戦《おのの》く心の粗野な誇らかな律動《リズム》も、高拍子の
撞木杖《しゅもくづえ》によりかかり跛を引きながら、お人よしのくだらぬ道を安心して....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
る。クール・デ・ミラクル(訳者注 昔乞食や浮浪人らの集まっていたパリーの一部)の
撞木杖《しゅもくづえ》にすがって、棍棒《こんぼう》に変わり得る
撞木杖にすがって歩....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
月見の宴で 1 「辻斬の噂、どんな辻斬で?」と前田主膳という武士が訊いた。 「
撞木杖をついた跛者の武士が辻斬りをするということで厶るが」 「その噂なら存じて居....
「変身」より 著者:カフカフランツ
二人よりももっとのろのろと歩き、古い外套にくるまり、いつでも用心深く身体に当てた
撞木杖をたよりに難儀しながら歩いていき、何かいおうとするときには、ほとんどいつで....
「初夢」より 著者:正岡子規
で、サア廻礼だ。」 「おい杖を持て来い。」「どの杖をナ。」「どの杖ててまさかもう
撞木杖《しゅもくづえ》なんかはつきやしないヨ。どれでもいいステッキサ。暫く振りで....