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撩
「撩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
撩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「オリンポスの果実」より 著者:田中英光
した、人間の文字通り具体的な、観念に憑《つ》かれぬという意味での美しさが、百花｜
撩乱《りょうらん》と咲き乱れておりました。
しかしながら、その中に育った、ぼく....
「草枕」より 著者:夏目漱石
ウォーヅウォースのごとく、一団の水仙に化して、心を沢風《たくふう》の裏《うち》に
撩乱《りょうらん》せしむる事もあろうが、何《なん》とも知れぬ四辺《しへん》の風光....
「門」より 著者:夏目漱石
目遣《めづかい》がことに珍らしく受取れた。今まで宗助の心に映じた御米は、色と音の
撩乱《りょうらん》する裏《なか》に立ってさえ、極《きわ》めて落ちついていた。そう....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
きものが、この世界のところどころに悠々と遊んでいるのではあるまいか。真佐子といい
撩乱な金魚といい生命の故郷はそういう世界に在って、そして、顔だけ現実の世界に出し....
「もの思う葦」より 著者:太宰治
、ならびに作品の特殊性にも、死ぬるともゆずらぬ矜を持ち、国々の隅々にいたるまで、
撩乱せよ、である。 私は生れたときに、一ばん出世していた。亡父は貴族院議員であ....
「大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
以上のごとく、通俗小説は、明治三十年頃を絶頂として未曾有の盛観を極め、更に百花
撩乱たるの観あること、今日の大衆文芸の盛んなること以上であった。今日の如きは大衆....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
か、悲んで宜いものか、殆ど我にも胡乱《うろん》になって来たので、あたかも遠方から
撩《こそぐ》る真似をされたように、思い切っては笑う事も出来ず、泣く事も出来ず、快....
「道標」より 著者:宮本百合子
黙していた。歓楽の雰囲気があんまりおおっぴらで、横溢的なので、さすがの素子もその
撩乱ぶりに圧倒されたようだった。おはこの花柳界じみた皮肉やわるじゃれをひとことも....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
』に発表され、岡本かの子の作家としての出発が開始された。続いて「母子叙情」「金魚
撩乱」「老妓抄」「雛妓」「丸の内草話」「河明り」その他昭和十四年の二月に急逝する....
「「ラジオ黄金時代」の底潮」より 著者:宮本百合子
番組編成の基準は、「国民文化の表現乃至は聴取者嗜好の反映として見る限りその番組は
撩乱の姿を呈している」が、「放送効果の立場よりする聴衆の必然性の吟味或は社会的公....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いでたち》が出来上りました。 二人が外へ首を出してみると、火の子はこの家の上を
撩乱《りょうらん》と飛んでいます。 それとはまた違ったところでその翌日、最初に....
「鱗粉」より 著者:蘭郁二郎
繰りひろげられた海岸の風景は、なんと華やかな極彩色な眺めであったろう。まるで百花
撩乱のお花畑のような、ペンキ塗りの玩具箱をひっくり返したような、青春の夢のように....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
れた顔すると、恋人にきらわれるぞ」 村から四、五町ほど下流の英田川の河原には、
撩乱と春の草花がさいていた。お通は、負い籠をそこにおろして、蝶の群れにかこまれな....
「三国志」より 著者:吉川英治
を守りにつけ、殿軍には張飛をそなえて、さらに落ちのびて行った。 秋の末――野は
撩乱の花と丈長き草におおわれていた。日もすでに暮れかけると、大陸の冷気は星を研き....
「柳生月影抄」より 著者:吉川英治
囲の大部分は、いまだ武蔵野の切れ切れが残っていた。夏は、りんどうや月見草、秋は、
撩乱といっていいほど、空地の萩桔梗は露や花を持ち競う。 柳生家の裏も横も、そう....