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撫で上げる
「撫で上げる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
撫で上げるの前後の文節・文章を表示しています。該当する4件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「杉垣」より 著者:宮本百合子
さを語る艶《つや》が籠っていた。 鴻造はやや暫く黙って髭の両端のところを下から
撫で上げるようにしながら、その慎一の眼を見ていた末、 「いや、案外それが当ってい....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
のなかから一瞥した最後の東京。雨が降っていた。窓を打ってななめに走る水。丸ビルを
撫で上げる自動車の頭灯。 「東京――モスコウ」と朱線のはいった黄色い切符を示した....
「二つの正月」より 著者:寺田寅彦
の岩石の名前も珍しかったと見えてよく覚えている。紺碧のナポリの湾から山腹を逆様に
撫で上げる風は小豆大の砂粒を交えてわれわれの頬に吹き付けたが、ともかくも火口を俯....
「特殊部落の犯罪」より 著者:豊島与志雄
るだよ。」 「ほう、椿の実でかあ……。」 感心したように云ったが、左の掌で軽く
撫で上げる彼女の髪を、なおしみじみと見惚れていた。が暫くして、思い出したように徳....